日本駅巡り紀行

京急久里浜線

[ 久里浜線 くりはません ] 京浜急行電鉄
堀ノ内〜三崎口(13.4km)

京急久里浜線は京急の路線の一つで、堀ノ内〜三崎口間を結んでいる。本線の堀ノ内から分岐する支線だが、実態としては本線の堀ノ内以北の優等列車の大半が久里浜線に直通しているため、本線の一部として運行されている。三浦半島南部の主要な公共交通機関で、三浦市に乗り入れる唯一の鉄道路線である。

京急の全身の一つである湘南電気鉄道は浦賀から久里浜・葉山を経て三浦半島を一周する路線と三崎に分岐する支線を計画していた。このうち久里浜は軍事面でも重要な場所だったため、京浜電気鉄道を経て東京急行電鉄(東急)に合併した後の1942年に堀ノ内〜久里浜間が開業した。東急から京急が分離した後も三崎への路線延伸は継続され、1975年までに三崎口まで開業した。

沿線の通勤・通学輸送や三浦海岸・油壺・三崎などへの観光輸送を担っているが、沿線人口の減少やレジャーの多様化により利用者数は落ち込んでいる。また、油壷を経て三崎まで久里浜線を延伸する構想もあったが、用地買収の難航や自然保護の機運の高まりにより三崎口以南の延伸は進まなかった。延伸計画は2016年に正式に凍結が決定された。

駅紹介

全線の半分ほどに渡って三浦半島南岸に沿って路線が敷かれているが、起伏の多い三浦半島の地形を反映して掘割やトンネルが多い。特にYRP野比以南では沿線の市街化が進んでおらず、田畑や緑が多く残っている。三崎口は暫定的な終点として建設された駅であるため市街地の外側にあり、油壷や三崎を発着するバスとの結節点としての機能がメインだ。

堀ノ内駅 KK61|地上ホーム・地上駅舎|本線直通
新大津駅 KK65|地上ホーム・地上駅舎
北久里浜駅 KK66|地上ホーム・地上駅舎
京急久里浜駅 KK67|高架ホーム・高架下駅舎|JR横須賀線乗換
YRP野比駅 KK68|高架ホーム・高架下駅舎
京急長沢駅 KK69|高架ホーム・高架下駅舎
津久井浜駅 KK70|高架ホーム・高架下駅舎
三浦海岸駅 KK71|高架ホーム・高架下駅舎
三崎口駅 KK72|地上ホーム・地上駅舎

車両

京急の各形式が使用される。ほとんどの列車が京急の車両で運行されるが、東京都交通局の車両・京成の車両も1日に数回乗り入れる。

             
2100形 2000形の跡を継いだ京急のフラッグシップで、2ドア・全クロスシートの車両が無料列車として都心に乗り入れているのは関東大手私鉄では2100形が唯一。日中の快特と朝夕の「ウィング号」を中心に久里浜線・久里浜線・空港線で運用される。2ドアであるため都営浅草線への乗り入れ運用はないが、貫通扉を備えるため先代2000形では不可能だった泉岳寺乗り入れが可能。
600形 都営浅草線・京成線・北総線乗り入れが可能な車両で、1994年の登場当時は地下鉄直通車両にも関わらず全クロスシートという内装が特徴的だった。現在ではロングシート化改造がなされ、見た目・内装ともに新1000形アルミ車との区別が殆どつかない。
新1000形(アルミ車) 京急の過半数を占める新1000形の初期車両で、600形に似たアルミ製車体。600形と異なり車端部以外はロングシートとされたが、600形がロングシート化されたため2形式の違いは少ない。京急の全線の他、乗り入れ各線で用いられる。
 
新1000形(ステンレス車・前期+1800番台) 2007年の増備車から京急初のステンレス車となり、前面デザインや若干変化したほか車内がオールロングシートになった。側面は他社に比べて面積の大きなカラーフィルムで京急らしさを表現しているが、ステンレスの地肌も見えている。
1800番台は連結時に編成間の行き来が可能なタイプの4両編成だが、2編成しか存在しない。1800番台では側面が全面ラッピングされるようになった。
 
新1000形(ステンレス車・後期) 2016年11月の増備車からは内装がマイナーチェンジされ、車端部にクロスシートが復活した。外観は1800番代と同じフルラッピング。
さらに2017年度の増備車からは側面の全面塗装が復活し、関東大手私鉄初のステンレス車への全塗装となった。
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新1000形(1890番台『Le Ciel』) 説明準備中
1500形 都営浅草線乗り入れ用の(旧)1000形を置き換えるために導入された形式で、新1000形に次いで数が多い。4両編成は大師線を中心に、8両編成は都営浅草線乗り入れを中心に運用され、京急線全線でその姿が見られる。

運行

朝上りの「モーニング・ウィング号」以外の種別は久里浜線内で各駅に停車する。

昼間運行される種別は快特のみで、(泉岳寺〜)堀ノ内〜三崎口間に10分間隔で運転される。そのうち20分に1本は都営浅草線に乗り入れる青砥・京成高砂発着列車、もう1本は泉岳寺発着列車である。平日の泉岳寺発着列車は京急久里浜折返しとなる。泉岳寺発着列車には2100形が多く使用され、土休日の一部列車には「ウィング・シート」が設定される。

特急・普通は朝夕に運行される。普通は京急久里浜以北のみの運転で、堀ノ内・京急久里浜〜三崎口間の線内折返し列車は各駅に停車するが快特または特急として運転される。

・路線のデータ
開業日 品川〜北品川間:1933/04/01|北品川〜大森海岸間:1904/05/08|大森海岸〜京急川崎間:1901/02/01(一部区間は後に経路変更)|京急川崎〜神奈川間:1904/12/24|神奈川〜横浜:1929/06/22|横浜〜黄金町間:1931/12/26|黄金町〜浦賀間:1930/04/01
路線長:56.7km
単線/複線 子安〜神奈川新町間:単複線、金沢文庫〜金沢八景間:複々線 残りは全て複線

・ページのデータ
公開:2012/02/05
更新:2021/10/10(全面更新)

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