2100形は2扉オールクロスシートの京浜急行電鉄のフラッグシップ車両で、朝夕の「ウィング号」と日中の快特などに用いられている。特急型と近郊型の中間のような内装の車両で、都区内に乗り入れる料金不要の車両としては破格の設備を備える。
18m・2扉のアルミ車体で、8両編成を組む。2扉車のため都営浅草線直通列車には用いられないが、前面貫通扉を備えているため泉岳寺駅に乗り入れることができる。かつてはシーメンス製のVVVFインバータを搭載し、「歌う電車」としても知られていたが、2015年までに国産の制御装置に取り替えられた。
外観は600形のデザインを引き継いでおり、曲面構成の前頭部と赤・アイボリーの塗装、ドア間の連続窓が特徴。内装はオールクロスシートで、扉間は転換クロスシートとなっている。座席には座席番号が振られており、朝夕のウィング号や土休日のウィングシート(一部快特の2号車)では指定席として運行される。
2101編成 羽田空港・三崎口方より 鮫洲にて
外観のデザインは600形・新1000形(アルミ車)とほぼ変わらないが、特急列車のような側面窓が特徴的。
2109編成 羽田空港・三崎口方より 逸見にて
行先表示器はフルカラーLED化されている。日中は快特として泉岳寺〜三崎口間を往復する運用に基本的に用いられている。
先頭部側面
先頭のクリーム色の部分はワイパーカバーとなっており、実はガラス面と連続的な形状ではない。乗務員による先頭部の洗車中の様子。
側面
特急型と通勤列車を組み合わせたような不思議な外観。パンタグラフはシングルアーム式を採用している。
2157編成 羽田空港・三崎口方より 品川にて
2015年までは2157編成、以降は2133編成が、青色に塗装されて「KEIKYU BLUE SKY TRAIN」として運用されている。2010年頃の様子で、行先表示器などが現在と異なる。
行先表示器
600形と同じく、側面の行先表示器は幕式のまま残されている。
内装
全車オールクロスシートで、色使いも他の京急の車両とは異なる。座席は多いが定員が少なく乗降も不便なため、日中は停車駅の少ない快特に用いられ、混雑時間帯はウィング号にしか用いられない。
扉間
扉間の座席は転換クロスシートだが、シートピッチを切り詰めているため乗客が座席を転換できず、常にすべての座席が前向きで固定されている(転換は折り返し駅で乗務員が操作する)。カーテンは特急列車のような横引き式を採用している。
転換クロスシート
転換クロスシートは東海・西日本地区で広く採用されている座席だが、関東での採用例は少ない。モケットは紺色に赤の水玉柄。
車端部
車端部は向かい合わせのボックスシートだが、座席は扉間と同じ形状をしている。車端部のみ側窓が開閉可能に改造されており、外から見ると他の窓より一回り大きい。カーテンも一般的なロール式。
ドア
側扉は両開きだが、開口幅は通常よりも狭い1,200mmとなっている。鴨居部にはLCDの案内表示器が設置されている。
先頭部
先頭部は展望席となっており、泉岳寺駅などでは親子連れやファンが先頭ドアに並んでいる光景が見られる。
運転台
T字型ワンハンドルマスコン。
ウィングシート
土休日の一部の快特には2号車に「ウィングシート」という座席指定車両が設定される。ウィングシート営業中は片方の扉が締め切られる。
・形式のデータ
沿革 1998年:営業運転開始
車両数 8両10編成(2021年現在)
・ページのデータ
取材:2021/10/03・2021/10/09
公開:2021/12/31
更新:公開後未更新