日本駅巡り紀行

公開:2010年12月27日
更新:2011年1月17日

鶴見線

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 鶴見線は東日本旅客鉄道(以下JR)の路線の一つで、鶴見〜扇町間と浅野〜海芝浦間、武蔵白石〜大川間、計9.7kmを結ぶ路線です。
 もともとは鶴見臨港鉄道という私鉄の路線として開業した路線で、当初は工業地帯の貨物輸送を担う鉄道として開業しました。1943年に国鉄に買収されましたが、その後も工業地帯を走っていることもありあまり駅施設の改良などはなされませんでした。そのため現在でも路線全体に私鉄の雰囲気が漂うほか、浅野以東の各駅では貨物ヤードなども多くみられます。
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本線(鶴見〜扇町)

 鶴見線の本線で、7.0kmを結んでいます。鶴見駅では昼間でも平日20分に1本の列車が発車し(土休日は30分に1本)、浅野〜扇町間では貨物列車の姿が見られます。しかし、その一方で浜川崎〜扇町間は平日、土休日共通で昼間は2時間に1本しか列車がなく、昼間の利用者はあまり多くないという現実もあります。
 路線全体に私鉄らしい小ぶりでモダンな駅舎が多く残っており、特に国道駅のレトロな雰囲気は必見です。

鶴見駅

起点駅で、ターミナルらしい風格漂います。京浜東北線乗換

本山駅(廃止)

1942年に廃止された、総持寺の最寄駅。現在でも当時の遺構が残っています。

国道駅

駅名は第1京浜国道から。高架下の雰囲気がいい感じです。

鶴見小野駅

周辺は鶴見線には珍しい住宅地。

弁天橋駅

鶴見線電車のねぐら、鶴見線営業所に近い駅で、乗務員もこの駅で交代します。

浅野駅

三角ホームが特徴の海芝浦支線分岐駅。

安善駅

燃料輸送の始発駅で、旧浜安善支線(後述)からの米軍燃料を輸送します。

武蔵白石駅

大川支線の分岐駅ながら大川支線は止まりません。(大川支線の項参照)

浜川崎駅

南武支線乗換駅。2路線で駅が分かれているのが特徴です。

昭和駅

駅名は昭和電工の工場の近くにあることから。

扇町駅

当線の終点駅。終点の割にはひっそりとしています。

海芝浦支線(浅野〜海芝浦)

 海芝浦、新芝浦の両駅名にも表れている通り、東芝の工場前を通っています。また、両駅ともに運河に面しており、日本一海(運河)に近い駅とも言われています。海芝浦は東芝の敷地内にある駅として知られ、昼間は乗り過ごすと2時間先の次の列車まで駅を出ることができません。

浅野駅 

この支線は浅野駅の手前で本線と分かれます。猫がいる駅としても有名です。

新芝浦駅

東芝京浜事業所の正門最寄駅です。

海芝浦駅

社員以外が出られない駅として有名。駅からは運河が臨めます。

大川支線(武蔵白石〜大川)

 線路の戸籍上は武蔵白石駅を起点としていますが、実際には大川支線の電車は武蔵白石駅のホーム裏を通過していくだけで安善駅が実質的な分岐点となっています。
 1996年まで旧型国電が走る路線として人気があったそうですが、それを103系電車に置き換える際武蔵白石に当時は設置されていた大川支線用のホームが急カーブ上にあったため撤去せざるを得ず、現在のように分岐駅に止まらない列車が発生してしまいました。
 なんと昼間は1本も電車がなく、その間は大川駅付近の人(といっても工場しかありませんが)はバスを使うことになります。実際にはバスの利便性が高いため当線の利用客は多くありません。

(安善駅)

当線の実質的な分岐駅です。

武蔵白石駅(全列車通過)

大川方面から武蔵白石駅以東の駅には運賃に関する特例があります。

大川駅

土休日は1日3本しか列車が来ない終点駅。木造のコンパクトな駅舎が残ります。

使用される車両

 すべての列車が205系で運転されています。山手線、埼京線から転用された車両によって構成された3両編成×9本で、両先頭車は中間車からの改造車です。
 車両は南武支線の2両編成とともに弁天橋駅の付近にある鶴見線営業所で普段は留置されていますが、南武線の中原電車区というところに所属していて、検査などの際にはそちらに行きます。

205系0番台(中間車)、1100番台(先頭車)


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