日本駅巡り紀行

内部線・八王子線

[ 内部線・八王子線 うつべせん・はちおうじせん ] 四日市あすなろう鉄道(第2種鉄道事業者)・四日市市(第3種鉄道事業者)
内部線 :あすなろう四日市〜内部間(5.7km)
八王子線:日永〜西日野間(1.3km)

内部線・八王子線は四日市あすなろう鉄道の路線で、四日市市中心部と四日市市郊外の内部・西日野の間を結んでいる。軌間は762mmで、日本に3つしか無いナローゲージの普通鉄道路線の一つである。近鉄(および大手私鉄全体)で最後のナローゲージ路線だったが、2015年に第3セクターの四日市あすなろう鉄道に譲渡されて現在の体制となった。

内部線・八王子線のうち先に開業したのは八王子線で、三重軌道が1912年から1915年にかけて四日市市(現在の四日市駅付近)〜八王子村(→伊勢八王子)間を開業させた。内部線は三重軌道改め三重鉄道が「鈴鹿支線」の一部として1922年に開業させたが、後に内部以南の免許は失効した。その後三重鉄道は戦時統合により三重交通に統合され、2路線は三重電気鉄道を経て近鉄の路線となった。近鉄時代にはナローゲージだった湯の山線とともに「三重線」として扱われていたが、1964年の湯の山線改軌によりほぼ現在の姿となった。

両路線は利用者数低迷のため近鉄が2012年に廃止・BRT転換を提案したが、四日市市は鉄道の存続を望んだ。そのため近鉄と四日市市が3:1の比率で出資する第3セクターである四日市あすなろう鉄道が設立され、2015年に同社に路線の経営が譲渡された。その際にインフラと車両を四日市市が保有する公設民営方式に移行している。譲渡後は車両・設備への投資が行われ、車両のリニューアルは2019年に完了した。

駅紹介

内部線はおおむねJR関西線に並行しているが、1kmほど離れている上に駅間距離が全く異なるため、あまり競合路線という雰囲気はない。三重軌道としての開業時にはJR四日市駅付近まで乗り入れていたが、現在の近鉄名古屋線を含めた複雑な路線の変遷の末に該当の区間は廃止された。

八王子線は天白川に沿っている。当初は西日野駅から1.5kmほど西にあった伊勢八王子駅まで伸びていたが、天白川の水害により現在の1駅間のみが残った。

あすなろう四日市駅 地上ホーム・地上駅舎|終日有人駅|近鉄四日市駅乗り換え
赤堀駅 地上ホーム・地上駅舎
日永駅 地上ホーム・地上駅舎|内部線・八王子線分岐
西日野駅 地上ホーム・地上駅舎|八王子線終点
西日野〜伊勢八王子間 八王子線の廃線跡
南日永駅 地上ホーム・地上駅舎
泊駅 地上ホーム・地上駅舎
追分駅 地上ホーム・地上駅舎
小古曽駅 地上ホーム・地上駅舎
内部駅 地上ホーム・地上駅舎|終日有人駅|内部線終点

車両

260系のみが使用されている。四日市あすなろう鉄道への移管後に一部付随車の置き換えと在来車の抜本的リニューアルが行われたため、外観・内装ともに移管前とは大きく異なる車両となっている。

260系 北勢線用の270系をベースに近鉄が導入した車両で、1982年〜1983年に新造された電動車・制御車に、三重交通から引き継いだ旧型車を改造した付随車・制御車を組み合わせた車両だった。四日市あすなろう鉄道移管後の2015〜2019年にかけて全編成のリニューアルが行われ、旧型車は新造車両に置き換えられるとともに、1980年代導入車は改造により新車同然の内外装となった。

運行

内部線・八王子線では四日市〜内部間の列車と四日市〜西日野間の列車のみが運転され、上りの1本のみを除いて四日市〜日永間では両系統が交互に運転される。日中は各系統で30分間隔・四日市〜日永間で15分間隔の運転となっており、日永では西日野と内部方面の接続も図られている。

・路線のデータ
開業日 あすなろう四日市〜赤堀:1956/09/23|赤堀〜日永:1912/10/06|日永〜西日野:1912/08/14|日永〜小古曽:1922/01/10|小古曽〜内部:1922/06/21
路線長:7.0km
単線/複線 全線単線

・ページのデータ
公開:2022/06/18
更新:公開後未更新

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