日本駅巡り紀行
八王子線廃線跡
[ 八王子線廃線跡 ] 三重県四日市市
近鉄八王子線（廃止時）：伊勢八王子駅〜室山駅〜西日野駅（近鉄四日市方面）
現在の四日市あすなろう鉄道八王子線は、三重軌道としての開業時には路線名の由来となった伊勢八王子駅まで伸びていた。しかし、1974年夏の水害で天白川が氾濫したことによって西日野〜伊勢八王子間は廃止され、現在の路線となった。
廃止された西日野〜伊勢八王子間は暴れ川だった天白川の堤防上に敷かれていたが、廃線跡も利用して治水が行われ、現在では暴れ川の面影は感じられない。廃線跡らしい痕跡は伊勢八王子駅付近にわずかに残るのみで、残りの区間の痕跡は治水と道路整備により失われている。
案内板
廃線・廃駅の位置や当時の写真を紹介するパネルが西日野駅前に設置されている。
廃線跡（西日野付近） 手前が西日野駅
廃線跡は大半が道路と天白川の改良に使用され、痕跡は残っていない。1974年までの西日野駅はこの写真の範囲内にあったと思われるが、その痕跡はない（1976年の営業再開に当たり、河川改修や道路に干渉しない現在地に移転した）。
廃線跡
八王子線は道路と天白川の間を通っていた。1974年の水害の後天白川は大幅な河川改修を受けたらしく、川・道路のいずれの側にも線路の痕跡は残っていない。
室山駅跡
三重交通室山バス停の位置にかつては室山駅があった。痕跡はないが、天白川側のガードレールに「元室山駅跡」の表示がある。
神楽酒造
駅跡から徒歩数分の「神楽酒造」には室山駅の駅名標が残る。時間の都合で外から眺めるだけだったが、この酒蔵には他にも郷土資料が保管されているという。
伊勢八王子駅への道
三重交通の八王子バス停付近で道路は川に沿ってカーブしていくが、分岐して直進していく路地がある。この路地が廃線跡であり、路地の先に終点の伊勢八王子駅があった。
伊勢八王子駅跡の標識
「元伊勢八王子駅跡→」の標識が示す先にある駐車場が伊勢八王子駅の跡地である。
伊勢八王子駅跡
伊勢八王子駅跡は中古車販売店の駐車場として利用されているようで、写真奥がホーム跡だが、駅跡を感じさせるアイテムは見当たらない。なお、この敷地は廃止後しばらくはバスの転回場として使用されていたという。
廃止前の伊勢八王子駅には木造駅舎があり、単式1面1線の駅だったが機回し線が設置されていた（電化までは転車台もあった）。
・沿革
1912/08/14：開業｜1974/07/25：水害により休止｜1976/04/01：廃止
・ページのデータ
取材：2021/11/28
公開：2022/06/27
更新：公開後未更新
・このページの場所
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