吉川美南駅は2012年3月に開業した武蔵野線で最も新しい駅です。この場所は武蔵野操車場があったところで、吉川市が吉川町だったころから20年にわたって駅の設置を要望していました。駅名は吉川市が公募して選んだ3種類の案からJRが選んだものです。
武蔵野線は輸送障害などが起きるとかなり長距離にわたって運休してしまうため、当駅は折り返しが可能な2面3線の線路配置とされました。駅舎は橋上構造で、白と黒のコントラストが際立つスタイリッシュなデザインです。
※開業初日の様子を掲載しています。雨の中での撮影で少し暗めなのはご了承ください。
西口
駅の入り口は里山や森・葉をイメージしていて、ガラスの部分が葉、ガラスの下の三角形の部分が里山、ガラスの中の縦向きの柱が森に、それぞれ対応しているそうです。
西口駅前(左:駅前ロータリー 右:駅前公園)
西口が駅の表側で、駅前にはバス乗り場があり、少し離れたところにはケーズデンキが出店しています。線路脇のスペースは武蔵野操車場の跡地で、公園の工事が行われていました。
西口遠景
西口の駅前は武蔵野操車場の跡地なので、住宅などは駅から少し行ったところにしかありません。周辺は区画整理事業(実質的には新規開発)によって商業地区として生まれ変わる予定ですが、現在は整地のみが行われています。
東口
東口も西口とほぼ同じデザインの駅舎ですが、出口と改札の間で一般道を跨ぐという特徴があります。
東口駅前
東口駅前にもロータリーはありますが、西口に比べてバス路線の数は格段に少なく、タクシー乗り場がメインです。
コンコースも白と黒のコントラストがはっきりしたシャープなデザインですが、一部に木のような素材も使われています。コンコースには蒔絵」という金粉や漆を使う絵が飾られていますが、それはなんと人間国宝の方が描かれたものです。
改札
改札の上に飾られた「吉川美南駅」の文字が目立ちます。
コンコースは明るく、天井も高く作られています。建物の中に建物が経っているようなトイレのデザインが特徴的です。
左:西船橋方面 右:府中本町方面
島式2面3線のJR型配線で、中線は非常時の折り返し用です。ホームは白を基調とした明るいデザインです。
府中本町方を望む
府中本町方の下り線側には、保線用の側線があります。
駅名標
JR東日本は浦和駅の反省(同じような名前の駅が多いため位置関係がわかりづらい)から原則として「東西南北」や「新」は駅名に入れないことにしたそうなのですが、この駅は何ともグレーゾーンな感じです(美南=南なのは明らか)。もう少し周辺地名を重視した駅名を設定するようにした方がいいと思います。
・ページのデータ
取材:2012年3月17日
公開:2012年3月18日
更新:公開後未更新