[ 700型 ] 上毛電気鉄道上毛線
700型は上毛電気鉄道が保有している鉄道車両で、京王電鉄から井の頭線用の3000系を譲受し改造した車両である。1990年代、上毛電鉄は親会社の東武から3000・3500系を譲受して300・350型として運用していた。しかし、製造から60年以上経過した足回りの老朽化が著しく、非冷房でもあったため京王から3000系を導入して車体の体質改善、サービス向上を図ることとなった。
ステンレス製・片側3扉の18m級車体で、3000系の制御車2両の片方を電動車化した編成と、中間電動車2両を先頭車化改造し、片方を電装解除した編成とがある。先頭車化改造された車両を含めて先頭部にはオリジナルと同じFRP製の部品が使われており、さらに本家よりも多い8色に塗り分けられている。また、先頭のヘッドマーク風行先表示器も現役で使用している。
車内はオリジナルのままのロングシートで、ワンマン化改造が実施されている。一部の列車では車内に自転車を分解せずに持ち込めるサイクルトレインを実施している。
デハ713+クハ723 富士山下にて 中央前橋方より
オリジナルの先頭車を電動車化した編成。FRP部分の塗装はフェニックスレッド(赤)。
デハ717+クハ727 桐生球場前〜天王宿間 中央前橋方より
この編成は中間車を先頭車化改造した編成。先頭部のFRP以外の部分が普通鋼製(銀色に塗装)であるため、オリジナルの先頭車とは輝きが異なる。また、FRP部分に通風孔跡もない。
FRP部分の塗装はミントグリーン。
デハ712+クハ722 中央前橋にて 中央前橋方より
ロイヤルブルー
デハ718+クハ728 中央前橋にて 中央前橋方より
ゴールデンオレンジ
デハ711+クハ721 西桐生にて 西桐生方より
フィヨルドグリーン。導入当初はすべての編成がこのカラーだった(側面帯は現在でもフィヨルドグリーン+赤)
デハ714+クハ724 大胡にて 中央前橋方より
サンライトイエロー
他に、ジュエルピンク(末尾5の編成)とパステルブルー(末尾6の編成)がある。
側面
大量のコルゲートがステンレス車としては初期の車両であることを感じさせる。
行先表示器
おそらくオリジナルと同じサイズ。原則全列車がワンマン運転だが「ワンマン」と表示されている。
車内
オールロングシートで、ドア脇の整理券発行機を除けばほぼオリジナルのまま。
先頭部
ワンマン運転のため、座席の撤去とワンマン関連機器の設置が行われている。
座席
座席モケットは臙脂色。戸袋窓と田窓を組み合わせた、時代を感じさせる窓配置が残る。
ドア
両開きで(片開きの京王3000系は北鉄浅野川線用に改造・譲渡された)、車内に化粧板は貼られていない。
[ 700型 ] 上毛電気鉄道上毛線
・駅のデータ
沿革 1998/11/29 第1編成が営業運転開始
編成数・両数:2両8編成
・ページのデータ
取材:2020/03/20
公開:2021/02/14
更新:公開後未更新