[ 弘南鉄道7000系 ] 弘南線用
7000系は弘南鉄道の保有する電車で、もと東急の7000系である。東急7000系には機器類が東洋電機製のものと日立製のものがあり、弘南線で使用されているのは東洋電機製の車両である。東急時代のオリジナルの先頭車を利用したデハ7010形・デハ7020形と中間車を先頭車化改造したデハ7100形・デハ7150形の2種類の顔が混在している。
7000系は18m3扉のステンレス車体で、窓の下には青色の帯をまとっている。車内はロングシートで、ドアスイッチと整理券発行機が設置されているほかはほぼ原形を保っている。3扉であるが中央の扉は締め切られており、他の扉についても半自動ドア化改造が行われている。
外観
デハ7023-デハ7013 黒石方より 田んぼアート〜尾上高校前間
デハ7010・7020形はオリジナルの先頭車。営団日比谷線乗り入れ用に作られた形式であるため貫通扉を備えている。
デハ7103-デハ7153 黒石方より 田舎館〜田んぼアート間
デハ7100・7150形は中間車からの先頭車化改造車で、北陸鉄道7200系・福島交通7000系と同じ非貫通・非対称の顔となっている。オリジナルが古い車両であるため先頭車化改造で継ぎ足された部分とオリジナルの部分の継目がとてもわかりやすい。
左:オリジナル顔の前面表示 右:先頭車化改造車の前面表示
行先表示はステッカーとされており、行先表示機のあるオリジナル顔の車両でもステッカーで方向幕が埋められている。
側面には旧来の社章とともに新しいCIも掲示されている。
パンタグラフは菱形。
台車は東急がステンレス車両の技術で提携した米・バッド社の設計したパイオニアIII型台車を元にしたTS-701型で、車軸の外側に設置されたディスクブレーキが外観上の大きな特徴である。
車内
内装
車内はロングシートで、東急時代の形態を保っていると思われる。
ドアは化粧板のないタイプで、これもおそらく東急時代のオリジナルのままである。
ドアスイッチ 左:内側 右:外側
ドアは半自動化されており、車内外にドアスイッチが設置されている。他所ではあまり見ない簡素なデザインで、おそらく汎用品を極力使うことでコスト削減を図ったものと思われる。
整理券発行器
座席
座席はロングシートで、ドア間は9人掛け。座席の上にはステンレス製の網棚が設置されている。座席には2種類あり、1つの車内で混在している車両もあった。袖仕切りが付いているタイプの方は東急の1000系などで採用されている比較的新しいタイプなので、東急在籍中か弘南譲渡時に東急によって一部座席の改良が施工されたものと思われる。
吊り手の広告は東急時代のまま
扇風機
運転台後ろ
先頭にはワンマン関連機器が設置され、乗務員室仕切り扉の窓が拡大・開放されている。
運転台は古い車両らしく半室・低運転台の窮屈そうなタイプ。
弘南線用
・形式のデータ
沿革 1989(H1)年:7010・7020形、7100・7150形ともに第1編成営業開始/1990(H2)年:増備終了/〜1994(H6)年:ワンマン化改造/1995(H7)年:半自動ドア化/1997(H9)年:衝突事故で7151と7104が廃車
編成数・両数(2017年2月現在):7010・7020形3編成6両、7100・7150形4編成8両
・ページのデータ
取材:2015年8月25日・26日
公開:2017年2月22日
更新:公開後未更新