日本駅巡り紀行

飯坂温泉駅

[ 飯坂温泉駅 いいざかおんせんえき ] 福島県福島市
花水坂駅(福島方面)   ←福島交通飯坂線

飯坂温泉駅は福島交通飯坂線の終点。その名前の通り飯坂温泉の玄関口となる駅で、駅周辺には摺上川沿いに温泉旅館や公衆浴場などが立ち並ぶ飯坂温泉街が広がっている。

駅は頭端式2面1線の線路配置で、福島駅と同様に棒線駅タイプの終点駅となっている。ホームは摺上川に面した低地にあり、台地上にある駅舎との間には1階分の高低差がある。駅舎は2010年に改装された和風の建物だが、ホームや改札には昭和の主要駅の雰囲気が色濃く残っていて、2種類のレトロさを楽しめる。

画像の説明 駅舎
駅舎は鉄筋コンクリート造平屋建て(川に面した地下に改札階があり、実態としては改札階が1階・駅入口が2階の2階建て)で、2010年の改装により切妻の木造家屋風の見た目となっている。出入口階の半分はコンビニや青果店として利用されている。

画像の説明 画像の説明
 駅前(温泉街方面)
駅前は県道3号線が十綱橋で摺上川を渡るところとなっており、駅より上流側(北側、駅舎を背にして前方)は川の右岸(左写真および右写真左手前)・左岸(右写真右奥)の両岸が飯坂温泉の温泉街となっている。

画像の説明 駅前(住宅地方面)
駅前の温泉街と反対方向に向かっても道が伸びていて、道に張り付くように駅のタクシー乗り場がある。

ここからしばらく飯坂温泉街に入る。

画像の説明 十綱橋
十綱橋は県道3号線が摺上川を渡る橋で、この周辺はかつてから交通の要衝として栄えていた。現在の橋は1915年架橋の鋼アーチ橋で、飯坂温泉のランドマークである。

画像の説明 上流から見た十綱橋
温泉街のほうから見た十綱橋。美しい上路アーチ橋。

画像の説明 波来湯
飯坂温泉にある共同浴場。福島交通のフリー切符には波来湯のほか9か所の温泉に入湯できる無料券が付いている。

画像の説明 温泉旅館
摺上川の河岸に張り付くように建てられた温泉旅館は鬼怒川温泉を思わせるような景観。

画像の説明 渓流
温泉街の上流には摺上川が渓流となって続く。ただし、摺上渓谷と呼ばれる地域はこのあたりよりもかなり上流にある。

ここから駅に戻る。

画像の説明 駅舎内
リニューアルで表面は木造駅舎のようになったが、駅舎内部は昭和の雰囲気をとどめている。改札階へは写真に写る階段を下る。

画像の説明 改札階
改札階の全景。この階は1982年の建設当時の雰囲気をかなり残していると思われ、20世紀末生まれの都会人である私にはなんとも言えない懐かしさが感じられた。

画像の説明 出札口と改札
改札は有人で、金属製のラッチが残る。ただし、ICカードを利用することもできるようになっている。黒字に色つき文字の吊り掛け式案内板や壁際のFRP製ベンチなど、平成の中ごろまで都市部でよく見られたアイテムだが、最近の駅ではほとんど見られなくなったように感じる。

画像の説明 切符売り場
「自動きっぷ売り場」の看板にレトロさを感じる。ただし、券売機はタッチパネル式の新型。

画像の説明 待合室
階段の脇にある待合室も少し時代を感じるが、これは今でも地方部の主要駅で多く見られるような気がする。

画像の説明 接近表示
取り上げていないが、飯坂線には「間もなく○○行きが到着します」とか「次の電車は○○駅を出発しました」とか表示されるタイプの接近表示機がいくつかの駅に現役で設置されている。

画像の説明 改札階からの眺め
改札階も摺上川に面しているため、綺麗な川の景色を見ることができる。この駅のホームと駅前の段差は上流の台地と下流の低地の間の崖となっており、駅を境に流域の標高が一気に下がるため、ホームの脇に摺上川の堰がある。

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 ホーム 左:福島方 右:終端
東北地方には珍しい頭端式ホームで、積雪がない季節には乗降分離が行われている。

画像の説明 停車中の電車

画像の説明
 福島方
終点駅だが分岐器などはなく、到着した電車は全て福島方面または桜水の車庫に折り返していく。

画像の説明 駅名標

花水坂駅(福島方面)   ←福島交通飯坂線

・駅のデータ
沿革 1927(S2)年3月23日:開業/1982(S57)年12月21日:現在地に移転(それまでは現在の駅舎附近にホームがあったが、駅舎を改築し路線を短縮した)/2010(H22)年12月20日:駅舎を改装
駅のある地点:飯坂線福島起点9.2km

・ページのデータ
取材:2015年8月12日
公開:2017年11月15日
更新:公開後未更新

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