日本駅巡り紀行

TX-1000系 / TX-2000系

[ TX-1000系 / TX-2000系 ] 首都圏新都市鉄道 つくばエクスプレス

TX-1000系・TX-2000系は首都圏新都市鉄道の車両で、つくばエクスプレスの開業時から使用されている。TX-2000系は守谷〜つくば間の交流区間に乗り入れるため、国鉄・JRグループ以外では初めてオリジナル形式の交直両用車両として製造された。TX-1000系はTX-2000系の直流バージョンで、守谷以北には乗り入れられない。

車体長20m・片側4扉の車体はアルミニウム製で、地下区間に乗り入れるものの幅広車体を採用している。6両編成を組んでいるが、2030年代前半を目処に8両編成化する予定がある。保安装置としてATC・ATOを採用しており、ワンマン運転を行う。営業最高速度は130km/hで、通勤車両としては国内最速タイ。

前面のデザインはV字型のラインが鋭い印象を与える流線型で、地下区間に乗り入れるため前面貫通扉を備える。側面は無塗装で、初期車では幕板部にのみ赤いラインが入っていたが、TX-2000系の増備車では腰板部にもラインが入るようになった。車内はロングシートで、同時期に導入された通勤型車両として標準的な内装。導入当初は観光利用や長距離利用客を考慮して中間の3・4号車がクロスシートだったが、混雑緩和のため2017年度以降ロングシート化された。

外観

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 64編成(TX-2000系オリジナル) 柏たなか駅にて 秋葉原方より
TX-2000系はV字型の窓によって鋭さが強調された流線型が特徴的。スカートも車体と一体的にデザインされている。

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 54編成(TX-2000系リニューアル車) 柏たなか駅にて 秋葉原方より
TX-2000系では2020年現在リニューアル工事が進行しており、リニューアル車では行先表示器がフルカラー化されている。

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 6編成(TX-1000系) 柏たなか駅にて 秋葉原方より
TX-1000系とTX-2000系の車体デザインは共通。車両番号の色(TX-1000系:紺、TX-2000系:赤)が数少ない外観上の相違点。

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 初期車側面
側面のデザインはシンプルで、戸袋部(一部)に社名が表記されているほか幕板部にのみ赤色の帯が入っている。

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 67編成(TX-2000系増備車) 柏たなか駅にて 秋葉原方より
TX-2000系は2008年度と2012年度に増備されている。増備車は前面窓の下にスカーレットのVラインが追加されたため遠目にも区別できる。

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 増備車側面
側面のデザインも変更され、目の不自由な人の視認性を向上するため腰板部にスカーレットと白の帯が入った。初期車の赤色に比べて色が明るくオレンジがかっている。

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 1枚目:TX-1000系パンタグラフ、2枚目:TX-2000系パンタグラフ
交直流車のTX-2000系に比べて直流車のTX-1000系はパンタグラフ周りがスッキリしている。

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 側面表示器 1枚目:3色LED、2枚目:フルカラーLED
側面表示器は増備車を含めてオリジナルは3色LED。リニューアルに合わせてフルカラーLEDへの更新が進んでいる。

内装

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 中間車車内
内装はロングシートで、化粧板が白色・座席モケットがエメラルドグリーンの明るい配色。車端部は全て優先席としている。

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 先頭車車内

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 車椅子スペース
2号車と5号車には1箇所ずつ車椅子スペースを設置している。

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 座席(オリジナル)
ロングシートは7人がけ。高速走行のため窓は開閉できず、またJR東日本の車両と異なりカーテンが設置されている。

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 座席(増備車/ロングシート化車両)
増備車ならびに後述のロングシート化改造車の座席は改良が加えられ、より深いバケットシートとなっている。

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 クロスシート(TX-2000系3・4号車) 2012/08/05撮影
TX-2000系の3・4号車は導入時にはセミクロスシートとし、各車に6組のボックスシートを設置していた。座席はヘッドレスト部分がモケット、通路側の肘掛けにテーブルが格納されている、などJR東日本のものよりも高級感があった。
しかし、沿線人口の増加で混雑が増加してきたことや、せいぜい45分程度の乗車時間であることなどからか、2017〜2020年にかけての改造で消滅した。

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 ドア
扉は内側にも化粧板が貼られている。

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 鴨居部
鴨居部には車内案内装置が設置されている。21世紀の新車としては珍しい路線図式とLEDスクロール式の千鳥配置。

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 鴨居部(リニューアル車)
リニューアル車ではLEDスクロール式の表示器がLCDに置き換えられている。

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 運転台
運転台は左手式のワンハンドルマスコンで、ATO・ワンマン運転のためのボタンが多数設置されている。常に前面展望が可能。

首都圏新都市鉄道 つくばエクスプレス

・車両のデータ
沿革 2003/3:TX-1000系・TX-2000系量産先行車落成|2005/8:営業運転開始
編成数・両数(2021年現在) TX-1000系:6両14編成、TX-2000系:6両23編成

・ページのデータ
取材:2020/12/29・2021/02/06
公開:2021/02/12
更新:公開後未更新

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