[ AE形 ] 京成電鉄 本線・成田空港線用
AE形は京成電鉄の特急型車両で、2022年現在使用されている3代目「スカイライナー」車両。2010年7月に成田スカイアクセス(京成成田空港線)が開業するにあたって160km/h運転を行うことになり、AE100形に替わって導入されることになったのが本形式である。初心に帰るという意味で、初代「スカイライナー」AE車と同じ形式名とされた(車号は重なっていない)。
車体はAE100形と同じ19m級で、8両編成を組んでいる。京成電鉄では初めてアルミニウム合金製車体を本格採用することで、車体を軽量化している。また、AE100形と異なり都営浅草線・京急線への乗り入れを考慮していないため、前面貫通路は付いておらず、京成では2022年現在で唯一ボルスタレス台車を履いている(京急はボルスタレス台車装備車両の乗り入れを否定しているため)。
車両デザインやロゴタイプはファッションデザイナーの山本寛斎が担当した。先頭部は疾風をイメージしてAE100形に比べて鋭い流線型をしており、塗装は風から連想した白と紺の2色に塗られている。内装は全車モノクラスで、シンプルさを突き詰めた専用設計の座席を装備している。
AE5編成 成田空港方より 東松戸にて
塗装は本形式独自のもので、白をベースに前頭部と幕板部は「ウインドブルー」という紺色に塗られいている。前頭部はシャープな流線型で、前面窓は特徴的な形状をしている。
AE7編成 京成上野方より 東松戸にて
前照灯の位置も特徴的で、前面窓の下部にまとまっている。ヘッドマークが取り付けられない代わりに、前面下部にラッピングを行うことがある。
AE3編成 京成上野方より 東松戸にて
尾灯は前面窓内部の上部に設置されている。
ロゴマーク
側面には本形式用に作成された「スカイライナー」のロゴマークが設置されている。
行先表示器
側面にはフルカラーLEDの行先表示器が設置されている。ドット数の関係で仕方ないが、全体的なデザインの洗練具合に比べて「スカイライナー」表示のデザインはガッカリ感がある。
内装
2+2列の回転クロスシートが並ぶ。内装が青系でまとめられているのはAE100形と同じだが、AE100形に比べてコントラストのはっきりとしたデザインとなった。
車端部の貫通路上にはLCD式の車内案内表示器が設置されている。
荷物スペース
各車の片側の車端部には荷物スペースが設置されており、荷物スペース側は貫通路の幅が広い。荷物スペースはAE100形から拡大されて利便性が向上するとともに、見通しも良くなって安心感が増した。
座席
回転クロスシートで、背面にテーブルが設置されている。モケットは深い紺色、背面とフレームはアルミニウム合金製で、シャープな形状をしている。
座席(側面)
側面から見ると、かなり薄型の座席であることが分かる。生地には、伸縮性と通気性のある「バネックス」を採用している。
ヘッドレスト背面
ヘッドレストの裏側をくり抜いた形状は他では見られず、手すりもヘッドレストと一体化させることでスタイリッシュにまとめている。
リクライニング
手前がフルリクライニングでテーブルを展開した状態、奥が何もしていない状態。
また、カーテンはロール式(フリーストップ)で、座席ごとに設置されている。
車端部
車端部のテーブルは壁に取り付けられているが、AE100形と異なり折りたたみ式。
コンセント
各座席に1口のコンセントが設置されている。
天井
天井は空間を広く見せるドーム型。AE100型に設置されていた読書灯は設置されていない。
車椅子スペース
AE100形の車椅子用座席から、AE形では車椅子スペースになった。
デッキ
デッキは各車に1箇所ずつ設置されており、扉は片開き戸。
サニタリー
5号車にはトイレ・洗面台が設置されている。個室トイレは電動車いすにも対応している。
サービスコーナー
AE100形よりも縮小されたが、4号車にはサービスコーナーが設置されいる。
サービスコーナー
サービスコーナーの山側には自動販売機、海側にはカウンターが設置されている。カウンターは小さいが、窓も含めてスタイリッシュな空間となった。
サービスコーナー外観
縦に並んだ丸窓が特徴的。
先頭部
乗務員室扉に窓はあるが、前面展望はほぼ望めない(車内案内表示器に前面展望が映されることがある)。運転台はワンハンドル式。
・形式のデータ
沿革 2010/07/17:営業運転開始
車両数 8両9編成
・ページのデータ
取材:2018/05/20、2019/10/27、2019/10/31、2022/03/20
公開:2022/03/20
更新:公開後未更新