[ 京成3700形 ] 京成電鉄 京成線・都営浅草線・北総線・芝山鉄道線・京急線用
[ 北総7300形 ] 北総鉄道 北総線・京成線・都営浅草線・京急線用
[ 千葉ニュータウン鉄道9800形 ] 千葉ニュータウン鉄道 北総線・京成線・都営浅草線・京急線用
3700形は京成電鉄の保有する通勤電車で、金町線・成田空港線を除く京成電鉄の全ての路線で定期運用されている。北総線全線開業と成田空港駅乗り入れを機に通勤車両のモデルチェンジを行うために導入された車両で、同時に導入された北総7300形と設計を完全に共有している。また、後に導入された千葉ニュータウン鉄道9100形も機器面の設計を共有している。
京成電鉄で標準的な18m級の3扉車両で、ステンレス製である。側面の帯はAE100形が採用した赤と青の2色を通勤形で初めて本格採用し、のちにすべての形式に広がった。前面には貫通扉を進行方向右側に寄せた左右非対称のデザインを京成で初めて導入したが、貫通路下部の種別表示器は引き続き設置される過渡期のデザインとなっている。車内はロングシートで、製造された時期や所属会社などによりいくつかバリエーションが有る。
3700形は初期の赤電などの老朽化した車両を置き換えるために1991年から2002年まで導入された。8両編成が中心であるため優等列車に用いられることが多い。7300形は北総線の京成高砂〜新鎌ヶ谷間開業にあたって新造されたほか、京成3700形の一部編成が7300形7800番台や千葉ニュータウン鉄道9800形としてリースされることで、両社の旧型車の置き換えを行った。
3818編成 京成上野・羽田空港方より 四ツ木にて 2015/06/08
京成で初めて貫通扉を片側に寄せて運転台を拡大する前面デザインとなった。
3738編成 成田空港方より 船橋競馬場〜谷津間にて 2015/06/08
行先表示器・種別表示機は幕式→3色LED→フルカラーLEDという変遷をたどった。
3858編成 成田空港方より 船橋競馬場〜谷津間にて 2015/06/08
後期に増備された5編成では前照灯が上部に配置され、尾灯と種別表示灯がスリット状のデザインとなった。灯具類の配置は3000形に受け継がれている。
側面
腰板部にはビートが入っている。導入当初のパンタグラフは下枠交差式だったが、増備途中でシングルアーム式に変更され、変更以前の車両もシングルアーム式に交換された。
行先表示器
側面の行先表示器はフルカラーLED式。
7318編成 羽田空港方より 四ツ木にて 2022/03/26
7300形のうち初期の2編成(十の位が0・1の車両)は北総が発注した車両で、3700形の初期車とほぼ全く同じ仕様となっている。
3700形・7300形の初期車は種別表示器の下部が車体から出っ張っているのが特徴。
7808編成(京成3808編成) 羽田空港方より 四ツ木にて 2022/03/26
7300形のうち3編成は京成3700形を北総がリースしている車両で、車番が7800番台に区別されている(あくまでも形式名は7300形)。
7300形先頭車側面
7300形は帯色が北総仕様の濃淡青色なだけでなく、先頭車の側面に飛行機の翼をイメージした模様が入れられている。
9808編成(京成3738編成) 印旛日本医大方より 西白井にて 2022/05/22
千葉ニュータウン鉄道にも京成3700形がリースされており、9800形を名乗っている。帯色が9200形に準じた黄色と水色の2色となっている。
内装−初期車
3700形はオールロングシートで、導入時期の早い編成は袖仕切りが小さい。
車端部−初期車
車端部のうち1両1箇所は優先席とされ、青色のモケットが張られている。
座席−初期車
座席はバケットシートではない。モケットは2022年現在では3000形などと同じ紫色のものが張られている。
7300形(北総導入車)車内
3700形と7300形の仕様はほとんど変わらないが、北総が発注した2編成は床敷物の色が他の編成と異なっている。
内装−袖仕切り改良車
時代が下ると少し袖仕切りが大きくされた車両も製造された。座席も1席ずつ区別するための模様が入れられている。
内装−後期車・更新車
前面デザインが変化した後期の5編成は内装も変化し、袖仕切りが大型化された。それ以前の車両でも更新により袖仕切りが大型化された編成がある。
座席−後期車・更新車
袖仕切りが大型化されただけでなく、座席はバケットシート化されている。
側扉 1枚目:3700形 2枚目:7300形・9800形
扉は両開き式で内側に化粧板が設置されていない。警戒色が京成車では戸袋側だけだが、北総車では引手側にも貼られている。
車内案内表示器 1枚目:LCD(現行仕様) 2枚目:LED(消滅)
鴨居部には3色LED式の案内表示器が設置されていたが、小型のLCDに置き換えられた。
先頭部
先頭部には車椅子スペースが設置されている。ただし、初期車の一部には車椅子スペースが設置されていない。
運転台
T型ワンハンドルマスコンで、貫通路の移設などにより運転台のスペースは広がった。
・形式のデータ
沿革 1991/03/19:京成3700形・北総7300形が営業運転開始|2003/02:京成から北総へのリース(通称7800形)を開始|2017/03/21:千葉ニュータウン鉄道9800形が営業運転開始
編成数・両数(2022年現在):3700形8両10編成・6両3編成(北総等へリース中の車両を除く)|7300形8両5編成(3700形のリース車3編成を含む)|9800形8両1編成(3700形のリース車)
・ページのデータ
取材:2015/06/08
公開:2022/06/05
更新:公開後未更新