[ 3100形 ] 京成電鉄 成田空港線用
3100形は京成電鉄の車両で、主に成田空港線(成田スカイアクセス)で使用される通勤車両である。15年以上に渡って増備された先代・3000形に続いて「京成グループ標準車両」を謳っており、同時期に製造された新京成80000形と多くの部分で共通設計となっている。
都営浅草線への乗り入れ車両規格に則った18m級・片側3扉車で、ステンレス製の車体には日車式ブロック工法を採用している。扉配置などは3000形を踏襲しているが、前面デザインは3000形と大きく異なっている。また、塗装も成田空港線仕様のオリジナルである。内装はロングシートだが、京成の通勤車では初のハイバック仕様の座席を採用し、座り心地を改善している。各扉間に設けられた荷物スペースも特徴的で、折りたたみ式の座席としても使用できる。
2022年までに製造された車両はすべて成田空港線用の8両編成で、車番は3150番台とされている。3000形の例に倣えば本線仕様は3100番台となると思われるが、2023年1月現在では本線仕様車の具体的計画は無い。京成は編成両数の柔軟性を増した3200形の投入を予告しているが、3100形の製造を続けるかは明示していない。
3151編成 京成上野・羽田空港方より 東松戸にて
大まかな窓や灯具類の配置は3000形と同じだが、下に向かって絞り込むようなラインを強調することでスピード感を表現している。シャープな尾灯の形状が特徴的で、急行灯は尾灯に沿うように設けられている。
3154編成 京成上野・羽田空港方より 鮫洲にて
塗装も京成の一般車と大きく異なり、青砥・高砂や都営線内などでの本線との誤乗防止のため赤・青ではなくオレンジ色の帯を巻いている。
ただし、成田空港線・本線ともに都交・京急の車両が用いられるほか、本線仕様の3000形・3700形が成田空港線に使用されたり、3100形が本線や北総線普通に用いられることもあるため、誤乗防止に効果があるのかは疑問が持たれる。
側面
目立つのは腰板・幕板のオレンジ帯だが、窓まわりには赤・青のラインもあしらわれている。
側面
青いラインは飛行機雲と水平線を表現し、赤いラインは沿線の名所・景色を表現している。
行き先案内表示機
大型のフルカラーLED式で、2段表示・4ヶ国語表示が可能。
パンタグラフ
内装
3000形までとは座席の色が異なっており、一般席がオレンジ、優先席が明るい青色となっている。
車端部(フリースペース付き)
中間車の車端部の一部はフリースペース付きとなっている。車いす等の利用者がいないときのため、浅い腰当ても設置されている。
車椅子スペース
先頭車には他の形式と同じく車椅子スペースが設けられている。こちらには腰当ては設置されていない。
座席
3000形よりも170mmほど背もたれが高いハイバックシートを採用している。
荷物スペース
車椅子スペース設置箇所以外のすべての扉間に荷物スペースが設けられている。ロングシート中央の2席分が折りたたみ式となっており、スーツケース3個程度が置ける。
荷物スペースの跳ね上げ座席
背面のランプが点灯していない限り折りたたみ座席として使用できる。多くの折りたたみ座席と異なり、展開時の乗り心地は他の座席とほとんど変わらない。
座席背面(外側から)
窓の最下部は実質的に窓として機能していない。東急のハイバックシートとは異なり窓と座席の間に隙間がある。
荷棚
スリット入りのアルミ板で作られている。
側扉
扉の内側に化粧板が貼られている。鴨居部にはLCD2画面の車内案内表示器が設置されている。
先頭部
3000型と同じく運転室後ろに2人がけロングシートが設置されている。京成は京急と同じく頑なにアナログ計器主体の運転台を採用しており、運転室内の見た目は3000形からあまり変わっていない。
・形式のデータ
沿革 2019/10/26:営業運転開始
車両数(2023年1月現在) 8両6編成
・ページのデータ
取材:2019/10/27、2021/10/09、2023/01/15
公開:2023/01/21
更新:公開後未更新