日本駅巡り紀行

取材:2010年8月4日
公開:2011年7月25日
更新:公開後未更新

3500系・3600系

 [ 3500系・3600系 ] 長野電鉄

 3500系と3600系(以下まとめて3000系)は帝都高速度交通営団(営団地下鉄、以下営団)から日比谷線用の3000系を譲り受けて誕生した形式で、投入の目的は普通列車の増発と在来車両の置き換えでした。N編成(Nagano 基本の2両編成)、L編成(Long 3両編成)、O編成(One man 運賃箱が設置された2両編成)の3種類があり、N編成、L編成が主に長野線用、O編成が主に屋代線と長野線の一部区間(信州中野以東)用に運用されます。

 しかし、木島線(正式には河東線)の廃止や後継の8500系の登場で徐々にその活躍の場を減らしつつあり、特に8500系の登場でその活躍の場をほぼ失ってしまったL編成は残り1編成となっています。しかし、8500系は機器の関係上信州中野より先の長野線には乗り入れることはできず、同区間の普通列車や特急列車故障時の代走用として数編成はとりあえず廃車されない見込みです。

 基本的には営団時代の面影をよく残している車両で、長電のカラーである赤色の帯が入れられたことと冷房化されたことのほかはほとんど営団時代から変わらない外観です。車内もワンマン改造された編成にそれ用の機器が置かれたのみで、ほとんど営団時代と変わりません。

外観

 N6編成 桐原にて
「マッコウクジラ」という愛称で親しまれた先頭のデザインも含めてほぼ営団時代のままで、そのぶん赤帯がまかれていることに若干の違和感を感じます。
車体はもともと地下鉄車両なので、18m3扉という8500系(20m4扉)よりも少し小ぶりなサイズです。

 L2編成 長野にて
もはや風前のともしびともいえるL編成はこのL2編成1本しか残っておらず、イベント用に使われているようです。ちなみに、L編成(3両)が3600系、N・O編成(2両)が3500系という風に形式は分けられています。

 O2編成 信州中野にて
本来なら滅多にお目にかかれない貫通扉を開けた3000系。避難訓練でもなんでもなく、単に運転士さんが運転室に風を通したかっただけのようです。ちなみにO編成は冷房化されていません。

 N5編成側面 須坂にて
3000系は基本的に窓が小さいのが特徴で、特にドアの窓はかなりの小ささです。


内装

6段目の写真以外はO2編成にて撮影

 
通勤型としてはオーソドックスなロングシートの車内で、シートのモケットなどもおそらく営団時代のものの流用です。


3000系の窓は特徴的で、カーテンではなくこのような板が出てきます。しかし、半分しか日差しを遮れず、かなり不便な気がします。


O編成の先頭には運賃箱が設置され、一部ドアの脇には整理券発行機が設置されています。


ドア窓はかなり小さく、子供が外を見るのはきつそうです。


化粧板の色が違う編成もありました。営団時代に更新改造を受けた編成もいるので、他にも車内のバリエーションがあるのかもしれません。


運転台もおそらく営団時代からの流用です。

 
何から何まで営団からの流用のようです。まさか営団のSマークとこんなところで再会できるとは...。

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