日本駅巡り紀行

福井鉄道F1000形

[ F1000形 ] 福井鉄道 福武線用

福井鉄道F1000形は福武線で使用される車両で、200形以来半世紀ぶりとなる福井鉄道オリジナル車両である。輸送力の関係で残っていた高床車を置き換えるために導入された。輸送力の確保とバリアフリー化を両立するため他社に導入されているよりも大型の超低床車両とされ、2020年時点では日本国内で最も定員の大きな超低床車両となっている。

車体はフローティング車体を使用せず各車体に2軸台車を備える「ブレーメン形」と呼ばれる形態の連接形超低床車両で、新潟トランシス製。日本における「ブレーメン形」の他の導入例(熊本・富山など)は全て2車体連接だが、輸送力確保のため3車体連接となっている。広い車両限界を活かして幅が広く取られており、定員は150人を超える。扉は片側に4枚あり、無人駅では中間2枚を乗車ドア、先頭を降車ドアとして使用する。車内はセミクロスシートで、それまでの福井鉄道の車両とは大きく印象が異なる明るい配色。

外観は日本国内の多くの「ブレーメン形」低床車両と同じくボンバルディアの「インチェントロ」のデザインを使用している。ただし前照灯周りのみ独自デザインとされ、より鋭い目つきになっている。塗装は編成毎に異なり、第1編成から順にオレンジ・ブルー・グリーン・桜。「福井」+「TRAM」から「FUKURAM」という愛称が設定されている。

えちぜん鉄道との直通運用や朝ラッシュ時を中心に運用され、特に直通列車は全てF1000形とえちぜん鉄道L形のいずれかにより運転されている。

外観

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 F1001 福井駅前停留場(当時)にて 田原町方より
「ブレーメン形」という構造で、各車体が2軸台車を備える。台車は車軸のない独立車輪で、それにより底床化を実現している。全長27,160mmの3車体連接で、5車体連接の広電5000・5100・5200形(それぞれ30,500mm、30,000mm、30,000mm)よりも車体長は短いが、車体幅が広いため定員はそれらより多い。
塗装は編成ごとに異なり、F1001号車は「オレンジ」。

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 F1001 市役所前(当時)〜福井駅前(当時)にて 田原町方より
先頭部は立体的な造形で、前照灯周りの流れるようなデザインが特徴的。

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 F1002 仁愛女子高校にて 越前武生・福井駅方より
窓・扉配置は点対称で、左右どちらも向かって右端と各車体左側の計4枚乗降扉を備える。パンタグラフは編成で1基のみ設置されている。
F1002号車の塗装は「ブルー」。

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 F1004 福井城址大名町〜福井駅にて 田原町方より
F1004は「桜色」。桜色よりもバラ色と言いたくなるような濃いピンク色。ちなみにF1003は「グリーン」とされ、明るい萌黄色。
当初F1003・F1004は線内専用とされていたが、予備車を含めてバリアフリー化するため導入後に直通改造を施された。

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 ロゴマーク
車体には従来からのロゴマークとともに路線の形をかたどった「FUKURAM」のロゴマークが入っている。

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 案内表示器
側面の案内表示器は窓に埋め込まれており、3色LED式。

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 先頭
先頭にも「FUKURAM」ロゴが入っている。

内装

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 車内
超低床車で、車内には段差がない。車体幅を生かしたクロスシート主体の座席配置で、ドア付近のみロングシート。天井が高く貫通路も広いため広々とした車内。

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 座席
明るい青色のモケットで、ロングシート・クロスシーとともに2人がけ。

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 ドア
ドアは他の「ブレーメン形」と同じく全面ガラス張りのプラグドア。

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 半自動ドアボタン
ドアには半自動機能が設置されているが、通常は使用されていない様子だった。

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 先頭部
ワンマン運転のため運賃表示器と運賃箱が設置されている。ドアの開く側が固定されていないため、運転台後ろの両側に降車扉がある。

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 運転台
運転台はドイツのデザインを日本向けにカスタマイズしている。ドラえもんのしっぽのような形をした左手ワンハンドルマスコン。

・車両のデータ
沿革 2013/03/31:F1001運転開始|2016/12/29:F1004運転開始
メーカー 新潟トランシス(ボンバルディアからのライセンス生産)
編成数・両数(2020年5月現在) 4両

・ページのデータ
取材:2013/04/05・2019/08/10(F1003・F1004外観のみ)
公開:2020/05/24
更新:公開後未更新

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