日本駅巡り紀行

スカイレール

[ 広島短距離交通瀬野線 ひろしまたんきょりこうつうせのせん ] スカイレールサービス
みどり口〜みどり中央(1.3km)

広島短距離交通瀬野線はスカイレールサービスが運行する軌道路線で、山の斜面に建設された住宅地「スカイレールタウンみどり坂(以下、みどり坂)」と山麓のJR山陽線瀬野駅を結ぶ。「スカイレール」というシステムを世界で唯一採用した路線で、一般には「スカイレール」として案内されている。

スカイレールは循環式ロープウェイと懸垂式モノレールをミックスしたような交通システムで、三菱重工業と神戸製鋼所などが開発した。駅間ではロープに曳行されるため急勾配に強く、また車両はI字鋼で作られた軌道に懸架されているためロープウェイよりも風に強く、ケーブルカーほど建設費がかからない。

みどり坂を開発した積水ハウスや開発企業などの出資で1994年にスカイレールサービスが設立され、1998年に現在の路線が開業した。しかし、2023年現在ではスカイレールが瀬野以外に採用された事例はなく、みどり坂の路線も将来的な採算性の問題で2024年4月を目処に廃止される予定である。ちなみに、スカイレールは公式サイトやSNSを持っていないため現地以外から情報を得るのが難しい。日本で旅客営業を行う鉄道・軌道事業者の中で自社のWebサイトを持っていないのは唯一である(2023年現在)。

駅紹介

みどり口駅は瀬野駅に直結しており、残る2駅はみどり坂の内部にある。みどり口からみどり中央へと急勾配を登る片勾配の線形となっており、最急勾配は263‰に達する。

みどり口駅 高架ホーム・高架下駅舎|有人駅|JR山陽線乗り換え(瀬野駅
みどり中街駅 高架ホーム・高架下駅舎
みどり中央駅 高架ホーム・高架下駅舎

車両

車両はさながらゴンドラのようで、200形7両が在籍している。

 
200形 車両形式は三菱重工業製で、200形の形式名が与えられている。見た目はロープウェイのゴンドラそのものであり、輸送力も定員25人(うち座席8人)というおよそ鉄道らしからぬ小ささ。

運行(2022/4改正時点)

軌道上にいる複数の車両がひたすら周回するという運行方式は循環式ロープウェイと変わらず、システム上は75秒間隔運転が可能とされている。しかし、実際のダイヤでは平日の始発が2分間隔であるほかは最短5分間隔で、日中は15分間隔である。


 みどり口駅時刻表
2023年現在のダイヤでは、1日を通してみどり口とみどり中央から同時刻に列車が発車するダイヤとなっている。システムとしては両端を列車が発車するタイミングを揃える必要はないが、曳索を作動させる時間を減らすための施策と思われる。

・路線のデータ
開業日:1998/08/28
路線長:1.3km
単線/複線 全線複線

・ページのデータ
公開:2023/08/19
更新:公開後未更新

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