出雲大社前駅は一畑電車大社線の終点駅。駅名の通り出雲大社の最寄り駅で、出雲大社のと旧・大社駅をつなぐ参道(神門通り)の途中にある。
和風建築の国鉄大社駅に対抗したと言われるコンクリート造りの洋風建築で、神道よりはイスラムやキリスト教が似合いそうな見た目をしている。重要文化財に指定されている大社駅には及ばないが、全国で数少ない登録有形文化財の駅舎である。
駅舎
ステンドグラスと交差ヴォールトが特徴的な洋風建築で、駅名とのギャップがある。駅舎は2012年に改装されている。
登録有形文化財
登録有形文化財に登録されている。現役の駅舎で同登録を受けている駅は数えられるほどしかない。近代化遺産にも登録されている。
駅前
出雲大社と旧・大社駅を結ぶ参道「神門通り」に面しており、石畳風の舗装と松の街路樹が目を引く。2枚目写真の方向に出雲大社がある。
別の角度から見た駅舎
脇に伸びる部分はいくぶん日本建築に近い意匠。2024年現在は雑貨屋が入居している。
別館
駅舎とデハニ52の間にはガラス張りの別棟がる。2024年現在はアパレルショップのBEAMSが入居している。
デハニ52
駅構内には映画「RAILWAYS」に使用されたデハニ52が留置されており、通常は無料公開されている。ブレーキが保安基準を満たさなくなったことや部品調達の関係で営業運転は外れているが、現在でも車籍は残している。
デハニ52車内
車内も公開されている。映画の撮影時に再現された内装のまま。
駅舎出入口
駅舎内
高い天井とステンドグラスにベンチの配置が相まって、まるで教会のような雰囲気。
駅舎内
中央の円筒形の区画は、かつては窓口として使用されていたのだろうか。
ステンドグラス
3面それぞれに別の意匠のステンドグラスが嵌められている。天井の吊り天井もおしゃれなデザイン。
ホームへの出入口
改札
改札は駅舎を出た半屋外の軒下にある。多客期に対応して大量のラッチが設けられている。
ホーム裏手の駐車場
駅舎を出た先の空間(改札外)は、ホームのような見た目だが駐車場・駐輪場として使用されている。(元は貨物ホーム?)
ホーム側から見た駅舎
駅事務室の入る棟と、改札を覆う軒は完全に日本建築で、実は和洋折衷建築であったことがわかる。
ホーム 1枚目:終端方 2枚目:川跡方
島式ホーム1面2線で、約2両分の上屋が設けられている。
川跡方
大社線は川跡駅まで行き違い設備がない。
現役車両とデハニ52の並び
デハニ52が留置されている側線のホームは静態保存用に整備されたもので、まだ新しい。1枚上の写真で分かる通り、この側線は営業線と接続されている。
駅名標
開業時は「大社神門」という格好良いが少しわかりにくい駅名だった。
・駅の沿革
1930/02/02:大社神門駅として開業|1970/10/01:出雲大社前に改称
・ページのデータ
取材:2022/08/26
公開:2024/09/09
更新:公開後未更新