[ 205系3100番台 ] 仙石線用 仙台支社仙台車両センター(仙セン)宮城野派出所所
属
205系3100番台はJR仙石線で運転されている車両である。103系の置き換えのため2002年から2004年にかけて4両編成18本が投入さ れ、さらに2009年に多賀城駅高架化工事に関連して南武線の205系1200番台を改造・短縮の上で4両編成1本が投入されて合計19編成が投入され た。震災で2編成が被災して廃車されたため現在は4両編成17本が在籍している。
3100番台は全て山手線・埼京線で運転されていた205系0番台の改造車で、中間電動車は山手線、先頭車は山手線と埼京線の車両を種車としてい る。先頭車は全て中間付随車からの先頭車化改造車であり、南武線用1200番台などと同様に1枚ガラスと窓上に集約された灯具類が特徴的なブラックフェイ スとされている。
内装は基本的に種車から変わっていないが、各編成の石巻方先頭車にトイレが設置されたほか、M2〜M5・M8の5編成は石巻方先頭車に2WAYシー トが導入された。2WAYシートはクロスシートとロングシートを切り替えられるシートで、観光需要と通勤需要の両方を捌くことが期待されたがJR東日本の 他形式には普及せず、3100番台においても2015年12月からはロングシートに固定して運転されることになった。
かつては仙石線全列車の運用を担っていたが、震災後しばらくはあおば通〜高城町間のみの運転とされ、全線復旧後も仙石東北ラインが開業したため高城
町〜石巻間での運転は以前に比べて少なくなった。
外観
仙センM15編成 陸前大塚 あおば通方より
3100番台は全ての先頭車が中間付随車からの先頭車化改造車であり、他の205系先頭車化改造車と同様の1枚ガラスで構成されたブラックフェイスであ
る。2WAYシート車を含まない編成の帯は青とスカイブルーの2色で、仙石線のラインカラーを示している。
仙センM5編成 あおば通 左:あおば通方より 右:石巻方より
2WAYシート車を含む編成の帯色は通常の編成とは違い1両ごとに違う色とされている。帯色は1号車(あおば通方)から順に緑系、紫系、橙系、赤系とされ
ている。
4号車の2WAYシート車には専用のステッカーが付けられている。他の号車にも沿線の名所に因んだスタンプ風のステッカーが貼り付けられている。
仙センM2編成 陸前小野 石巻方より
M2編成及びM8編成の2編成は「マンガッタンライナー」として石ノ森章太郎作品が描かれたラッピング編成となっている。
M8編成 陸前富山 石巻方より
M2編成とM8編成でそれぞれラッピングの内容は異なる。
パンタグラフ
パンタグラフは各編成1基(一部は2基)が取り付けられている。仙石線に来てからシングルアーム式パンタグラフに換装された。
側面行き先表示機はLED式。あおば通行きは「仙台・あおば通」と表示され、全ての列車で仙石東北ライン経由でないことを知らせる「仙石線経由」表示が行
き先と交互に出てくるのが特徴。
内装
中間車車内
内装は仙石線に来る前からほとんど変更されていない。座席モケットはJR東日本標準の緑色のものを使用している。
あおば通方先頭車車内
あおば通方の先頭車の車端部には車いすスペースが設置されている。
石巻方先頭車車内
石巻方先頭車には車端部にトイレと車いすスペースが設置されている。そのため優先席が変則的な配置になっている。
2WAYシート車石巻方先頭車車内
2WAYシートの設置された編成の石巻方先頭車はこのようにクロスシートのような座席が並んでいる。私が訪れた当時は海側がクロスシート、山側がロング
シートに固定されていたが、2015年12月からは両側ともロングシートに固定されている。
2WAYシート
2WAYシートはクロスシートとしての使用を主に設計されているためロングシートにすると定員が減るだけでなくとても違和感のある見た目となる。荷棚の支
えなのか座席端部の仕切
りだけロングシート時代のものが取り残されている。
ドア 左:山手線からの転属車のドア 中:埼京線からの転属車のドア 右:2WAYシート車のドア
ドアは仙石線転属前の最初の導入線区によって小窓のタイプの大窓のタイプがある。また、2WAYシート車ではドアエンジンを座席下に格納できなかったため
鴨居部にドアエンジンが移設されて見た目が異なっている(同様の理由で埼京線や横浜線の6ドア車もこのような形のドアだった)。
ドアボタン
長時間停車などに備えて半自動ドア機構が備えており、各ドアにドアボタンが設置されている。
トイレ
トイレは洋式で、車いすに対応した大型のもの。
トイレ外側
トイレの部分の側窓は後から埋めたことが見た目で分かる。
左:乗務員室仕切り 右:運転台
乗務員室仕切り・運転台はともにE231系に類似したものが設置されている。
・形式のデータ
沿革 2002(H14)年:第1編成営業開始/2011年3月11日:2編成が被災、のちに両編成とも廃車される。
所属基地 仙台車両センター宮城野派出所
編成数・両数(2015年現在):17編成68両
・ページのデータ
取材:2015年8月22日・23日
公開:2015年11月17日
更新:公開後未更新