日本駅巡り紀行

取材:2011年5月3日・4日
公開:2012年1月21日
更新:公開後未更新

103系車内(JR西)

 

103系 ] JR西日本

 JR西日本の103系はもともとある製造時の差異だけでなくJRに譲渡された後の更新改造のメニューの違いなどもあるため、多種多様な内装があります。体質改善40N・30Nと呼ばれる抜本的な更新改造が実施され207系に準じる内装にまで改善されたものもあれば内装の張替えなどが行われただけの車両もあり、列車によって(さらに多くの場合は号車によっても)車内の雰囲気は大きく異なります。

 ※このページに載せている写真はすべて阪和線で2011年の5月3・4日に撮影したものです。ここに載っている物以外の内装もあると思いますし、場合によってはここに乗せている中にはすでに亡くなっているタイプの内装もあるかもしれません。

体質改善車 車内全景

 
 体質改善40N実施済み車両(試作車)
「体質改善40N」というのは製造後40年まで車両を使い続けられるようにと実施された更新工事で、207系とほぼ同じレベルまで車内を改良しています。その改造内容は窓の完全交換、座席・壁板の張替えなどに至るまで徹底していて、ドア周辺を除けば新車も同然の状態になっています。
ちなみにこの写真に写っている車両は体質改善40N工事の試作車両で、他の編成では実施されなかった座席の全交換(座席下部の空洞化)が実施されています。

 体質改善40N実施済み車両
通常の「40N」実施車両ではこのように座席の交換は行われていません(座面は更新されています)。

体質改善30N実施済み車両
「30N」は40Nよりも少しだけメニューが省略された内容で、具体的には窓の交換や蛍光灯へのカバー取り付けなどが省略され、天井の送風口の形状も簡単なものになりました。

 
 天井の比較
左は「40N」で採用された天井の形状で、ほとんど原形をとどめていません。右は30Nで採用されたタイプの天井で、作業工程を省略するためにかなり簡略化されています。

体質改善未施工車

 
 延命N40工事施工済み車両
「延命N40」は40年程度の使用に耐えられるように行われた改造で、体質改善工事が始まる前に実施されていました。内容は「体質改善40N」に比べれば簡単なもので、窓サッシの取り換え、壁板の張替え、貫通路の交換などが行われました。窓枠が黒井のが最大の特徴で、荷棚などには手が加えられていません。

 延命N工事(NA工事の可能性もあり)実施済み車両
人がいたためこのような画像しかありませんが…。「延命N」はN40よりもさらに前に実施されていた改造で、30年程度の寿命を想定して行われました。窓の改造なども行われておらず、さらに原型に近い雰囲気です。
ちなみにバリエーションとして「延命NA」と「延命NB」というものもありますが、「NB」実施車両はすべて廃車済みで、「NA」実施車両と「N」実施車両はほとんど変わりません(NAは国鉄時代に更新された車両が対象で、Nよりも少しメニューが省略されています)。

 延命工事未施工車
壁板の張替えなどが行われておらず、今でも水色の内装で走っている車両もいます。ただし、現在ではJR西日本の103系はすべて戸袋窓が埋められる工事を受けていて、また国鉄時代に「特別保全工事」という延命が行われていることから、厳密な意味での未更新車は存在しません。

 天井の比較Part.2
体質改善未施工車はいずれも扇風機のまま残っています。

ドア周辺

 
ドアは工事の有無に関係なく、いずれもほぼ同じものが使用されています。しかし、窓の支持方法が2種類あり、ゴムで支持されているものと金属で支持されているものがあります。

運転室

 
 左:体質改善未施工車 右:体質改善車
運転室後ろの窓は小さめで、あまり展望は望めません。体質改善車は壁板が張り替えられ、新しそうな雰囲気になっています。

 ワンマン対応車
羽衣線乗り入れ対応車はワンマン運転機器が設置されているためか、運転室の後ろにでっぱりがあります。

 運転台
低運転台車と高運転台車では高さが違いますが、基本的に運転台はレトロな雰囲気のままです。

 

103系 ] JR西日本

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