日本駅巡り紀行

S7 / S8系(S系)

[ S7 / S8 Stocks S7 / S8系 ] ロンドン地下鉄 Hammersmith & City線(H線)・Circle線(C線)・District & City線(D線)用(S7系)、Metropolitan線(M線)用(S8系)

ロンドン地下鉄S7系・S8系はロンドン地下鉄の中でもsub-surface networkと通称されるトンネル断面の大きな4路線で使用されている地下鉄車両で、合わせてS系と呼ばれている。旧型車両を置き換えつつ車両の運用効率を高めるため2009年から2017年にかけて導入され、それまで統一されていなかった4路線の車両はS系に統一された。

Bombardier(ボンバルディア)製のアルミ車体18m級3扉車で、H線・C線・D線で使用されるS7系は7両編成、M線で使用されるS8系は8両編成を組む。車体はロンドン地下鉄のカラーである赤・青・白に塗装されている。

車内は中心部近郊での運航が中心となるS7系はロングシート、長距離運用もあるS8系はセミクロスシートとなっている。deep-tubeと呼ばれる小断面区間の車両とは異なり、貫通路は開放され車内を自由に行き来できる。

外観

画像
 S7系 Farringdonにて 西側(Circle線以外基準)より
拡幅車体になっており、天井を含めて丸みのある断面。塗装はロンドン地下鉄のコーポレートカラーで、deep-tube区間の各形式とも統一感を出している。

画像
 S7系 Edgware Roadにて 西側(Circle線以外基準)より
後打ちの構図。

画像
 側面
ドアは外吊り式の両扉で、1両あたり3枚設置されている。連結面の貫通幌は断面が大きい(内部は後述)。

画像
 台車
台車はボギー台車で、側面と(ここでは見えないが)下部に集電靴がついている。手前の線路から分かる通り、ロンドン地下鉄は世界的にも珍しい第4軌条方式(電車線が2本設置され、線路が回路に組み込まれていない)。

画像
 行き先表示器
オレンジのみの単色LED表示器

内装

画像
 S7系内装
H線・C線・D線で用いられるS7系はオールロングシート。日本の鉄道では珍しい特徴として、車内の手すりが全て黄色に塗られ、スタンションポールも多く設置されている。

画像
 S8系内装
M線は乗車距離が長いため、車内はセミクロスシートとなっている。

画像
 車端部(写真はS7系)
車端部は短いロングシートとなっている。ロンドン地下鉄では初めて貫通幌が設置され、車内を自由に行き来できる。日本の地下鉄では現在許されていない貫通扉なしの幅広貫通路が設置され、見通しが良い。

画像
 ロングシート
扉間のロングシートは7人がけで、座席が肘掛けとモケットによって完全に区分されている。荷棚は設置されていない。

画像
 クロスシート
S8系では扉間の片側に4人掛×2組のボックスシートが設置されている。肘掛けはない。

画像
 折りたたみ座席(S8系)
各扉間の片側3席ずつは折りたたみ座席となっている。

画像
 車内案内表示器
各扉間には枕木方向に車内案内表示器が設置されている。単色LEDのスクロール式。

画像
 ドア
内側は無塗装。ドア周辺の設計が日本の鉄道車両とは異なる。

画像
 ドアカット
有効長がまちまちだった各線の車両を統一したため、先頭車両の一部ドアがドアカットされる駅がある。そのような駅ではドア上の表示等が点灯する。

画像
 半自動ドアボタン
各ドアには半自動ドアボタンが設置されている(欧州に多い「扉そのものに設置されている」タイプ)が、パリ地下鉄などと異なり少なくとも中心部では使用されていなかった。

・車両のデータ
沿革 2010年7月31日:S8系運行開始/2012年7月6日:S7系運行開始/2017年4月21日:4路線の列車をS系に統一
編成数・両数(2020年2月現在):7両*133編成931両(S7系)/8両*58編成464両(S8系)

・ページのデータ
取材:2020/02/12・02/13・02/15
公開:2020/03/17
更新:公開後未更新

・このページの場所
日本駅巡り紀行(サイトトップ)→駅・車両のページ(コーナー目次)→London地下鉄初期開業区間→S7 / S8駅