日本駅巡り紀行

取材:2010年11月23日
公開:2011年9月23日
更新:公開後未更新

浜寺公園駅

 [ 浜寺公園駅 はまでらこうえんえき ] 大阪府堺市西区
 諏訪ノ森駅    ←南海本線→  羽衣駅

 浜寺公園駅はその名の通り浜寺公園の最寄り駅です。浜寺海岸は戦前大きくにぎわった地域で、阪堺や阪和と南海はこの浜寺への乗客を巡って熾烈な競争を繰り広げていました。そのため後に東京駅を設計することになる辰野金吾が設計した重厚な洋館駅舎が建てられ、折り返し設備なども設けられました。

 しかし戦後は急行も通過する中間駅の一つとなり、大きな駅舎だけが残る追い越し可能駅となりました。もともと折り返し設備があったところを退避線としたため変則的な線路配置で、下りホームは単純な島式1面2線ですが、上りホームは切り欠きホームに待避線が設けられています。また、文化財に登録されている西口駅舎の反対側には小さな東口駅舎も設けられています。

 現在高架化の計画があり、隣の諏訪ノ森駅と同様に駅舎の今後が心配されていましたが、高架化後の駅前広場に移設されることが決定されました。

  西口
洋館駅舎の代表格ともいえる大きな赤屋根の駅舎で、東京駅と同じ設計者による設計だけあって、かなり凝ったつくりです。

 西口駅前
駅前の道を進むと阪堺電軌の浜寺駅前駅の前を通り、浜寺公園の入口に至ります。古い建物と新しいマンションが混在している地域です。

  西口周辺
駅前広場内には洋館には少し不似合いな松の木があります。駅舎内には「ステーションギャラリー」があり、さすが東京駅と同じ設計者、という感じです。

  西口駅舎内
駅舎の天井は古い駅舎に多い格子型の屋根飾りです。改札口は狭めで、窓口の部分は後付のようです。

  東口
洋館駅舎の反対側には小さな駅舎の東口があります。改札の脇に書かれた駅名の字体がいい感じです。


東口と西口をつなぐ自由通路は、改札内の地下通路と共通です。

 難波方より
下りホームは島式1面2線、上りホームは単式1面2線という変則的な配線です。

 1・2番ホーム
下りホームにある待合室も木造の重厚な作りです。

 3番ホーム
3番線は上り本線についているホームで、通過列車のほか通過待ちをしない停車列車もこのホームに停車します。

  4番ホーム
3番ホームと駅舎を挟んで難波方にある4番ホームは通過待ちをする上り列車だけが使うホーム(そのため昼間以降は使用されず、ロープで立ち入り禁止になります)で、このホームに停車する列車は3番ホームを通過した後このホームに停車します。
もともとは当駅折り返しの列車が使用するホームだったようで、反対側にも線路(5番線?)があった跡があります。

 1・2番ホームから見た3・4番ホーム
このように4番線の駅舎側にはもともと折り返し用ホームだった痕跡があります。

 5番ホーム(?)終端側
5番ホームの和歌山市方には車止めがあった跡と思われるものが残っています。また、向かい側にはさらにもう1面ホームがあった跡があり、昔のこの駅の規模の大きさがうかがえます。

 難波方
昔は折り返し用渡り線があり、当駅折り返し列車もありました。


駅名標です。

諏訪ノ森駅 

本線

羽衣駅

難波方面

南海電鉄

和歌山市方面

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