日本駅巡り紀行

取材:2011年9月23日
公開:2011年12月18日
更新:公開後未更新

三ノ輪橋駅

 

[ 三ノ輪橋駅 みのわばしえき ] 東京都荒川区
荒川一中前駅(早稲田方面)   ←都電荒川線

 三ノ輪橋駅は都電荒川線の起終点(法律上、路面電車では起点と終点の区別はありません)となる駅で、おそらく都電荒川線らしい雰囲気が最も色濃く出ている駅です。

 ホームは単式ホーム2面2線の構造で、単線の折り返し部分に乗車ホームが、2つの線路が合流する手前の三ノ輪橋方面の線路に面して降車ホームが設けられていて、1度に2本の列車をさばけるようにしています。ホームの辺りは小さな広場のような空間になっていて、レトロな雰囲気を演出しています。

 線路の終点の先で道路を渡るとレトロな佇まいの小さなビルがあり、まるで駅ビルのような雰囲気になっています。実はそのビルはもともと、荒川線を敷いた王子電気軌道という会社の「三ノ輪王電ビルディング」で、現在は写真館として利用されています。

 昭和通りより梅沢写真会館
中央のクリーム色のビルが梅沢写真会館(旧王電ビル)で、王子電気軌道時代からの雰囲気を今に伝えています。ちなみに、東京都電時代には手前の昭和通上にも都電の別の路線のホームがあり、2つの三ノ輪橋駅が存在していました。

 
 左:旧王電ビル入り口 右:王電ビル入り口より三ノ輪橋駅方面
王電ビルの1階は都電荒川線の駅まで数10メートルつづく商店街の一部になっていて、さながら駅ビルのような雰囲気です。ちなみに、王電ビルの正面にはビルを半分ふさぐようにして立ち食いそば屋があり、「駅そば」のような感じになっています。

 駅入り口
王電ビルを通り抜けると小さな道があり、そこを渡ると都電荒川線の三ノ輪橋駅です。門に絡まったツタがいい雰囲気になっています。

 駅入り口より南側
上写真の道の南側を見ると、すぐそばを常磐線(写真中央のガーター橋)が通っているのがわかります。実はこの駅は南千住駅に近く、利便性をよくするならばそこまで延伸した方がいい気もしてきます(昭和通りとの交差がネックですが)。

 乗車ホーム付近
庚申塚駅と同じ頃にこの駅もレトロな雰囲気にされ、都電の端っこの駅として個性が光る駅になりました。降車ホームは奥の電車が止まっている付近にあります。

 乗車ホーム
ホームへのスロープの壁なども徹底的にレトロ風にされ、ホーロー看板が張られています。

 降車ホーム
降車ホームもレトロ風に改築されています。こちらの幅はあまりありません。

  駅名標
駅名標もレトロなデザインですが、よく見ると駅名標を入れる枠や書いてある内容などはほかの駅と統一されています。右写真の柱型駅名標は当駅と庚申塚駅特有です。

 降車ホーム駅名標
こちらはここでしか見られないシンプルなものです。

 関東の駅百選
実はこの駅、関東の駅百選に見事選ばれています。ちなみに、選定されたのはレトロデザインにリニューアルされる前のことです。

 0キロポスト
軌道法で開業した路線に「距離標」というものが必要なのかは覚えていませんが、明らかに「0キロポスト」と思われるものが置かれていました。

 

荒川一中前駅(早稲田方面)   ←都電荒川線

「日本駅巡り紀行」トップへ