日本駅巡り紀行

福島交通7000系

[ 7000系 ] 福島交通飯坂線

福島交通7000系は福島交通の車両で、元東急の7000系である。福島交通はかつて直流750Vで電化されていたが、1991年6月25日に直流1500Vへの昇圧を行った際に東急から本形式を譲受し、在来車を一度に置き換えた。福島交通は2016年から元東急1000系の1000系を導入しており、2019年春までに7000系は引退する予定である。

東急7000系をほぼそのまま使った18m級片側3扉のステンレス車体で、2Mの2両編成が5本、2M1Tの3両編成が2本導入された(2両編成のうち1編成は事故廃車、残りは1000系により順次代替廃車)。種車は全て中間M車からの改造で、先頭車はどれも中間車からの改造車である。2両編成のうち3本は床置式の冷房により冷房化されており、1000系投入後は冷房化されていない編成が優先的に運用離脱した。

外観

画像の説明
 デハ7101-デハ7202 曽根田〜美術館図書館前にて 福島方より
7000系の2両編成で冷房化された編成。先頭のデザインは7000系を譲受・先頭車化改造した他社の車両(弘南鉄道7100形など)と同様の意匠で非貫通仕様。導入当初は先頭に青帯が配されていたが、2両編成冷房車3編成の帯はフリー切符の宣伝のために2013年に桃色に貼り替えられた。側面には帯などは配されていない。

画像の説明
 デハ7113-サハ7315-デハ7214 桜水駅構内にて 飯坂温泉方より
冷房化されていない3両編成は平日朝のみ使用され、昼から翌朝にかけては桜水の車庫に留置されている。中間車があるほか2両編成との大きな相違はないが、先頭の帯色が3両編成については青色のままとされている。

画像の説明 デハ7105-デハ7206 美術館図書館前にて 福島方より
カシオペアとの並び。

内装・機器

画像の説明
東急時代社章が貼られていた部分には「FKK」(Fukushim Kotsu Kabushikigaishaの略か?)というシールが張られている。

画像の説明 車内
車内は東急時代からほとんど変わらないと思われる。古い車両であるためパイプ類が少なくすっきりしている。もともと非冷房車だったため天井が高い。

画像の説明 連結面
2両編成の車内の連結面側には床沖式の冷房装置を収めるための機械室が設置されている。東急7000系の連結面はもともとは幅広貫通路であるが、互い違いに配置された機器室により通常と同じくらいの幅まで狭まっている。

画像の説明 ドア
ドアはステンレス無地。

画像の説明 座席
座席はロングシートで、モケットは青色のものが貼られている(福島交通入線後に張り替えたとみられる)。18m3扉車なのでドア間は20m4扉車より少し長く、座席は10人掛けである。
この形式は後付けで冷房化されたため網棚部にエアコンの室内機が設置されており、これにより網棚は3分の1ほどが塞がれている。

画像の説明 画像の説明
 運転室背面と運転台
運転台は改造で取り付けられたものだが、運転台はオリジナルの7000系と似ている。ワンマン化されていないため、ワンマン関連機器は設置されていない。

画像の説明 外から見た冷房機器室
窓があった部分は冷房機器の通風口として使用されている。

画像の説明 冷房装置と扇風機

画像の説明 パンタグラフ
パンタグラフは菱形で、おそらく東急時代から交換されていない。

・車両のデータ
沿革 1964(S39)・1966(S41)年:福島交通7000系の種車が東急7000系として竣工(東急7000系自体は1963〜1966年にかけて竣工)/1991(H3)年6月:福島交通に譲渡/1991(H3)年6月24日:福島交通7000系として運転開始/2016(H28)〜2019(H31)年:1000系の導入により順次置き換え/2019(H31)年春:引退(予定)
在籍両数(2018年9月現在) 2両編成2編成(導入時は3両編成2本・2両編成4本)

・ページのデータ
取材:2016年8月12・13日
公開:2017年11月15日
更新:2018年9月14日

・このページの場所
日本駅巡り紀行(サイトトップ)→駅・車両のページ(コーナー目次)→福島交通飯坂線→7000系