日本駅巡り紀行

5000形(熊本電鉄)

 

[ 5000形 ] (熊本電鉄) 菊池線用

 5000形は熊本電鉄の車両で、上熊本〜北熊本間の列車に使用されています。老朽車両の置き換えのために1981年と1985年に東急電鉄から初 代5000系を譲り受けて6両が誕生しましたが、老朽化によって徐々に6000形に置き換えられ、現在では上熊本〜北熊本間の区間運転用に2両のみが残っ ています。東急5000系・通称"青ガエル"を譲渡された地方民鉄は数多くありましたが、この2両がそれらの中で最後の生き残りになりました。しかし、こ の2両も2015年度までに新たに導入される01形に置き換えられて引退します。

 5000形は東急に導入された当時に東急電鉄で一般的な規格だった18m3扉の構造で、もともとは片運転台の車両でしたが熊本電鉄導入後に両運転 台化の改造が行われています。そのため、片方はオリジナルの湘南顔で、もう片方は改造で設置された切妻構造の運転台です。車内は全てロングシートで、全体 に東急時代の面影を強く残しています。塗装はかつては熊本電鉄オリジナルの塗装を纏っていましたが、現在では東急時代を再現したモスグリーン1色の塗装で す。

外観


 5101A 上熊本方より 上熊本にて
こちら側の顔は東急時代そのままの顔です。また、この車両は探訪当時はケロロ軍曹ラッピングが施されていました(2014年10月12日までで終了)。


 5101A 北熊本方より 上熊本にて
こちら側は両運転台化のためにあとから付けられた運転台で、「平面ガエル」と呼ばれることもあります。もともとの妻面に最小限度の改造を施したようで、乗務員室扉も設置されていません。

内装

 車内
車内はおそらく東急時代ほぼそのままです。シンプルながらもレトロな雰囲気が漂っています。

 
 座席
座席は全てロングシートです。座席端のパイプや吊り手の形が時代を感じさせます。また、元々の色が何色かはわかりませんが、モケットは赤色と緑色が混合
されていました。

  吊り手
吊り手には東急時代から付けられていると思われるSHIBUYA109の宣伝が巻かれています。

  扇風機
屋根のつるつる具合を見れば分かる通り、5000形は非冷房車です。そのため、夏場は200形がその運用を代走することも多く、運用に入るときにはすべての窓が開けられ、扇風機もフル稼働します。

 
 左:ドア 右:足元
ドアは肩開きで、ドア窓は高いところにある小窓です。また、東急5000系の特徴は「モノコック構造」と呼ばれる外板に応力をもたせる構造で、そのため壁の下の方は丸みのある特徴のある形をしています。

 
 左:車端部 右:運転台
車端部のうち片方は東急時代から使用されていたオリジナルの運転台です。背面の窓が特徴的です。

 
 左:車端部 右:運転台
もう片方の車端部はあとから設置された貫通型の運転台です。こちらの乗務員室には乗務員専用の扉がなく、そのためか大きな出入り扉が設けられています。

・形式のデータ
沿革 1954(S29)年10月:東急5000系営業開始/1981(S56)年:熊本電鉄5000形営業開始/2015年3月8日:5102A営業離脱/2016年:全廃
編成数・両数(2015年3月現在):2両(5101A・5102A)(5102Aは既に営業離脱)

・ページのデータ
取材:2014年8月3日
公開:2015年3月8日
更新:公開後未更新

・このページの場所
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