日本駅巡り紀行

AE100形

[ AE形 ] 京成電鉄 本線用

AE100形は京成電鉄の特急型車両で、2代目の「スカイライナー」車両。第1・第2編成は初代スカイライナーAE車の増備車として1990年に導入されたが、その後5編成が増備されて1993年にスカイライナーは本形式に統一された。その後2010年の成田スカイアクセス開業までは京成電鉄のフラッグシップとして運転された。スカイアクセス開業後は本線経由の「シティライナー」として運転されていたが、震災を期に空港乗り入れを終了し、フェードアウトするように2016年に引退した。

普通鋼製の19m級車体で、8両編成を組む。全体として直線的な外観が特徴的。前面は特急形らしい流線型だが、都営浅草線・京急線への乗り入れを視野に入れていたため前面貫通路を備え、。また、鉄道車両では珍しいリトラクタブル・ヘッドライトを装備していた。

8両全車が同グレードのクロスシートで、JRのグリーン車のような特別な座席は用意されていなかったが、対抗する成田エクスプレスの253系普通車に比べて明らかに客室設備と料金の面では勝っていた。各車のデッキ内に大型荷物置き場が設置されているのも空港特急ならではの設備だった。

外観

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 AE158編成 京成上野方より 町屋にて
AE車が導入した、白地に赤青2色の帯という塗装を継承している。先頭の貫通扉など、浅草線・京急線乗り入れへの備えが行われていたが、営業運転で乗り入れることは最後までなかった。

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 AE138編成 成田空港方より 京成上野にて
2010〜2016年にかけて見られた、2代目AE形との並び。同じ流線型でもかなり形状が異なっていることが分かる。

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 リトラクタブルヘッドライト
前照灯にはカバーが付いており、鉄道車両ではほとんど採用例のないリトラクタブル・ヘッドライトだった。

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 側扉周辺

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 側面
片側1扉で、各車の車端部にデッキがある構成だった。

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 行先表示器
種別・行先が一体化した幕式の表示器を装備していた。

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 屋根上
パンタグラフは下枠交差式で、その他の屋根上スペースはほとんど空調が占めていた。

内装

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 車内
2+2列の回転式クロスシートで、カーテンと座席はともに青系にまとめられていた。

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 車端部
デッキとの仕切りは自動扉で、丈夫にLED式の車内案内表示器が取り付けられていた。

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 荷物置き場
片側の車端部には荷物置き場が設置されていた。荷物置き場は客室から目が届きにくい上にかなり小さく、それらの点はAE形で改良された。

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 座席
回転クロスシートで、背面にはテーブルに加えてフットレストも設置されていた。

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 座席(側面)
リクライニングシートで、カーテンはロール式ではなく横引き式。シートピッチは1,040mmで、

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 テーブル裏側
座席回転時はテーブルをしまうように注意書き。注意書きのデザインに時代を感じられる。

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 車端部座席
車端部のテーブルは固定式で、他の座席よりも明らかに小さかった。

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 空気清浄機
各車両に空気清浄機が取り付けられていた。

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 車椅子用座席
4号車に設置された車椅子用座席は、車椅子からの移動がしやすい作りになっている。車椅子用座席の部分のみ1+1列の座席配置。

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 デッキ
デッキは各車に1ヶ所設置され、最小限のスペース。AE車の扉は折戸式だったが、AE100形では一般的な肩開き式となった。
スカイライナー時代の2006年から開始された京成船橋への停車では、開くドアが限定されていた。

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 停車中の通路
デッキと客室の間の扉は自動扉だが、駅に停車中はすべての扉が開いた状態になる機能がついていた。同様の機構はAE形にも採用されている。

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 サニタリー
編成中央の4号車にトイレ・洗面台が設置されていた。2000年代以降の車両に比べれば少し狭いが、車いす対応の大型個室も備えていた。

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 サービスコーナー
5号車にはサービスコーナーという名称のフリースペースが設置されていた。

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 サービスコーナー
サービスコーナーの山側には自動販売機、海側にはカウンターが設置されていた。画像は震災後の「シティライナー」で撮影したもので、自動販売機の片方が節電の名目で使用休止とされている。

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 サニタリーとサービスコーナー
外から見ると、4・5号車の間に客室以外の空間があるのがよく分かった。

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 先頭部
窓は小さいが、前面展望を楽しむこともできるようになっていた。

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 運転室
前面貫通構造のため、運転台はコンパクトに纏まっていた。マスコンは京成で標準のT型ワンハンドル式。

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 運転室
側面から見た運転室。パノラミックウィンドウになっている。

・駅の沿革
1990/06/19:開業

・形式のデータ
沿革 1990/06/19:営業運転開始|2010/07/16:スカイライナーでの営業運転を終了|2015/11/29:定期運転終了|2016/2/28:引退
車両数(最多時) 8両9編成

・ページのデータ
取材:2010/04/18、2010/10/11、2011/03/11、2015/11/08
公開:2011/04/17
更新:2022/03/20(文章・画像を全面差し替え)

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