日本駅巡り紀行

京成3500形(更新車)

芝山鉄道3500形

[ 3500形(更新車) ] 京成電鉄・芝山鉄道 京成線芝山鉄道線

3500形は京成電鉄初のセミステンレス車両として1972年から導入された車両で、1990年代には内部の鋼材の腐食が進行したため初期車に対して大幅な更新工事が実施された。更新後の車両は更新前の車両とは大きく異なる外観・内装となり、機器面にも大幅な変更が加えられたため、事実上別の車種となった。

車体は更新前と変わらず18m級・3扉のセミステンレス製だが、前面デザイン及び側面の窓配置が大きく変化している。前面は窓が上下に拡大され、前照灯の配置・形状も変更された。内装は、化粧板やモケットは3700形に準じたものに交換されている。

3500形更新車は4両〜8両まで2両単位で編成組み換えができ、京急線にも乗り入れられるため、成田空港線以外のあらゆる運用をこなしていた。しかし、3000形の導入が進むと本形式の6・8両が4両に組み替えられて旧型車の置き換えに充当され、2015年以降は8両編成での運用がほぼ消滅した(なお、4両運用の減少に伴い、4両から6両に組み直された車両もある)。2022年現在では4両編成が金町線で、6両編成が本線・千葉線・千原線の普通で運用されるのが基本となっている。2017年に未更新車が引退したのに続き、2018年からは更新車の廃車も発生している。

なお、3500形のうち3537〜3540の4両は2013年4月から芝山鉄道に貸し出され、固定編成を組んで運用されている。貸し出された当初は側面の表記が「Keisei」から「芝山鉄道」に変化しただけだったが、2022年4月には赤と緑の「芝山鉄道カラー」に塗り替えられた。

外観

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 3517ほか6両 成田空港方より 船橋競馬場〜谷津間にて 2015/06/08
知らなければ未更新車と同一形式とはわからないくらいデザインに手が加えられている。

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 3549ほか6両 成田空港方より 千葉中央〜千葉寺間(JR本千葉駅)にて 2021/06/13
前面だけでなく側面窓配置まで変化しているのは珍しい。3500形は2両単位で編成組み換えを行え、この編成は6両編成を組んでいる。

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 3533ほか4両 成田空港方より 船橋競馬場〜谷津間にて 2015/06/08
4両編成を組んでいる編成もある。現在はなき本線上野口での4両普通運用での一コマ。

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 3524ほか8両 京成上野方より 京成関屋間にて 2010/07/18
かつては8両編成を組んでいる編成も多く、浅草線・京急線直通運用にも充当されていた。

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 1枚目:未更新車側面 2枚目:更新車側面
扉間の側窓は小窓3枚が大窓2枚に変更され、窓枠の色も変わった。

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 行先表示器
行先表示器は幕式のまま。

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 パンタグラフ
パンタグラフはシングルアーム式。

外観−芝山鉄道車

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 3540編成 京成上野方より 柴又にて 2022/06/04
3540編成は2013年に3600形に替わって芝山鉄道に貸し出された。2022年からは芝山鉄道カラーをまとって運行している。

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 3540編成 成田空港方より 柴又にて 2022/06/04
芝山鉄道車と京成車は共通運用と言われているが、混結されたことはないため4両編成の運用にしか入らない。平日に宗吾参道〜芝山千代田間を走る運用で自社線内などを走ることが多いが、金町線で運用されることもある。

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 芝山鉄道車と京成車の並び
芝山鉄道の運転は京成に委託されていることもあり、帯色などの塗装面しか両者の違いはない。

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 芝山鉄道車側面
「Keisei」を上書きする形で「芝山鉄道」のシールが貼られている。

内装

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 内装
内装は未更新車から一新されており、3700形の中期型に準じている。

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 車端部
車端部のうち片側(編成組み換えで解結される側)には貫通扉があり、もう片側(編成組み換えで解結されない側)には貫通扉がない。

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 座席
袖仕切りは小さいが、座席は浅いバケットシートとなっている。モケットは3000形と同じ紫色のものが張られている。

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 扇風機
ラインデリアが設置されなかったため、天井には扇風機が引き続き設置されている。

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 側扉
扉周辺は未更新車から目立った変化がない。車内案内表示器は設置されなかった。

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 先頭部

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 先頭部(貫通時)
編成中間に先頭車が閉じ込められた場合でも車両感を行き来でき、その場合は貫通扉の外側が通路の壁の一部となる。8両編成では先頭車どうしが連結することもあったが、この画像のように先頭車と中間車が連結することのほうが多い。

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 運転台
運転台はツーハンドル式マスコンで、半室構造のため狭い。ただし、未更新車よりも運転室が前後方向に拡大されているという。

・形式のデータ
沿革 1996/03:改造第1編成営業運転開始
編成数・両数(2022年現在):京成42両(4または6両編成を組成)・芝山4両1編成

・ページのデータ
取材:2010/03/26
公開:2022/06/05
更新:公開後未更新

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