日本駅巡り紀行

福井鉄道880形

[ 880形 ] 福井鉄道 福武線用

福井鉄道880形は福武線で用いられる車両の一つで、名鉄美濃町・田神線で運行されていた車両を両線廃止後の2006年に譲り受けたもの。同じく名鉄出身の770形とともに福武線の主力車両となっているが、えちぜん鉄道には乗り入れない。

2車体連接の2両編成で、超低床車両ではないが各ドアにステップを備えることで路面電車型の車両となっている。片側に1車体2枚・計4枚の扉を備え、無人駅では最前部を降車ドア、中間扉を乗車ドアとし、最後部を締め切っている。車内はオールロングシートで、FRPの枠に1人分ずつ区画してモケットを張った西洋的な座席が特徴的。

外観は名鉄時代のスカーレット1色から福井鉄道カラーの白・青・緑に塗り替えられた。770形と外観は似ているが、前面下部の塗り分けと側窓配置が異なる。名鉄時代は低速の軌道線のみで用いられていたため、福井鉄道導入時に足回りに大幅な改造が行われた。

外観

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 882-883 越前武生・福井駅方より 福井城址大名町〜福井駅にて
770・780形に引き継がれたデザインは、導入時の名鉄では革新的なものだった。「ヒゲ」の部分の柄の入ったアルミプレートに1980年代の名鉄らしさが感じられる。

内装

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 車内
オールロングシートで、車体の幅・高さは普通の鉄道車両よりも狭さを感じる。連接部分は鍵穴形の貫通路となっている。

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 座席
座席はFRP製で、モケットが1人ずつ区画されているのが特徴的。

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 貫通路
貫通路は連接車両によくある幅広貫通路で、この部分も客室として使用できるようになっている。

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 中間ドア
無人駅で乗車ドアとして使用される中間の扉は両開き戸となっている。整理券発行機が設置されている。

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 先頭部
無人駅で降車ドアとして使用される先頭扉は近年では珍しい折戸となっている。ワンマン運転のため、LCDの運賃表・案内表示器と運賃箱が運転代行部に設置されている。

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 出入口ステップ
底床ホームに対応するため、出入口には車内2段・車外1段のステップが取り付けられている。また、車体が狭いため、ステップに寄ってホームとの隙間も埋めている、

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 運転台
ワンマン運転対応で、ツーハンドルマスコン。最近の路面電車車両に比べると、低運転台で運転室は狭い。

・車両のデータ
沿革 1980年:名鉄に順次投入、美濃町線・田神線・各務原線で運用|2005/3/31:路線廃止により名鉄での運用が終了|2006年:福井鉄道に順次移籍・投入
メーカー 日本車輌製造
編成数・両数(2020年5月現在) 5編成10両

・ページのデータ
取材:2013/04/05(内装写真)・2019/08/10(外観写真)
公開:2020/05/17
更新:2020/05/24(写真を2013年撮影のものに大幅に差し替え)

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