[ 415系800番台 ] JR西日本金沢総合車両所所属 七尾線・北陸線(津幡〜小松間)用
JR七尾線が電化されたのは1991年のことでしたが、直流電化とされたため北陸線への直通用として普通列車用の交直流電車が新たに必要となりました。そのため、福知山線用の113系800番台や東海道・山陽線用の113系0番台に交流機器を積み、415系に編入して800番台としました。ちなみに、この時に使用された交流機器は福知山線用の485系のもので、こちらは交流機器が撤去されたため183系に編入されました。
編成は(小松方←)クハ415+モハ414+クモハ415(→七尾方)の3両編成で、塗装は両先頭車が水色基調、中間車がピンク色基調という変わった配色です。その後、2010年からはJR西日本の合理化策に伴って単色化が始まり、3両すべてが茜色とされつつあります。車内は急行「能登路」での使用を前提としてグレードアップされていて、北陸線の413系などに比べるとかなり乗り心地が良くなっています。
外観
C01編成 徳田にて 七尾方より
両先頭車と中間車で塗装が異なるオリジナルカラーは、2012年現在急速に数を減らしています。ちなみに、一部の編成は七尾線電化までの間、福知山色をまとって福知山線で運転していました。
C06編成 能登二宮にて 津幡方より
新塗装は輪島塗をイメージしたとされる茜色で、JR西日本の単色塗装の中では似合っている方だと思います。ちなみに、この編成は七尾線電化20周年記念のUFO列車です(詳細は後述)。
車内
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車内はドアとドアの間がボックスシート、車端部がロングシートとされています。113系からの改造時に大きく内装にも手を加えられていて、落成から40年を経ているとは思えない内装です。
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先頭部はロングシートとされています。中央の扉にしか窓はなく(左側にも小窓がついている車両もあります)、座ったまま全面展望は楽しめません。
小松方の先頭車にはトイレが設置されています。バリアフリーには対応していません。
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この車両に設置されているボックスシートは、一部の部品を除いて改造時に新たに作られたもので、通常の415系・113系などに比べてかなりグレードの高い座席です。バケットシート化とヘッドレストの装着が行われた上、ドアの脇にあったロングシートを撤去してシートピッチが拡大されているので、JRのボックスシートの中ではかなり乗り心地が良いものとなっています。
しかし、トイレの向かい側にあるボックスだけは113系時代から継続使用されているもので、乗り心地は大きく異なります。
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この車両のドアは半自動ドア化されていて、ドアスイッチによって乗客がドアを開閉する構造になっています(ただし、2004年までは手動で開ける構造でした)。ドアには化粧板が張られているタイプといないタイプの2種類があります。
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一部のドアの脇にはこのように消火器とゴミ箱が設置されています。
七尾線電化20周年記念ラッピング車
七尾線の電化から20周年を迎えるにあたって、2011年7月(一部は6月)から2013年3月までの予定で(当初は2011年9月まででした。※予定は変更の可能性があります)、「UFOのまち羽咋号」「七尾とうはくん号」「和倉温泉わくたま号」の3つのラッピングが登場しました。いずれも茜色塗装車にラッピングが施されています。
C06編成 UFOのまち羽咋号
UFOで町おこしをしている羽咋市をPRするためのラッピングで、車内・車外それぞれにUFOや宇宙人のいる宇宙空間が描かれています。
C08編成 和倉温泉わくたま号
和倉温泉のゆるキャラ、わくたまくんによって和倉温泉をPRするためのラッピングで、車内や車体側面にはわくたまくんやシラサギ(和倉温泉はシラサギが発見したとされていて、わくたまくんもそのシラサギの卵がモチーフだそうです)、七尾湾の風景などが描かれています。
C11編成 七尾とうはくん号(未遭遇)
七尾出身の絵師長谷川等伯をイメージした七尾市のゆるキャラ、とうはくんのラッピング車両です。私はまだ見かけたことがありません。
・ページのデータ
取材:2010年8月10日・2012年4月2日(2010年撮影写真右下には☆)
公開:2012年月4日20日
更新:公開後未更新