日本駅巡り紀行

取材:2010年8月4日
公開:2011年7月25日
更新:公開後未更新

2000系

 [ 2000系 ] 長野電鉄(引退済み)

 2000系は1000系「ゆけむり」が来るまで長野電鉄の看板だった特急型電車で、長野電鉄が新造した唯一の特急型電車です。1957年から1964年にかけてA〜D編成の3両×4本が新造されましたが、設備的に古くなったため2006年にはB・C編成が1000系「ゆけむり」に、2011年にはA・D編成が2100系「スノーモンキー」によって置き換えられ、現在では定期列車での使用はなくなりました。

 車体は名古屋鉄道の特急型電車を参考に設計したといわれ、先頭のデザインは当時流行していた湘南型の2枚窓です。扉と扉の間には回転式クロスシートが用いられていますが、ドアは1両につき片側2か所設けられ、デッキもなく車端部にはロングシートがあるなど特急型とも近郊型ともいえない車内です。クリームベースに窓周りの赤い塗装を長年まとっていましたが、A・D編成は引退前の数年間だけ復刻塗装となりました。

外観

A編成
  左:本郷駅にて 右:須坂駅にて
1957年に製造された第1編成で、2007年以降は登場時の塗色である「マルーン」1色の復刻塗装をまとっています。

D編成
 長野駅にて 色をきれいにするため撮影後に若干加工
特急型車両の最後の1編成を増備する際、長野電鉄はパノラマ席を備えた新型車両を登場させようとしました。結局2000系での増備となりましたが、その新型車両の代わりに1964年に作られたこのD編成にはスカートの装備をはじめとして数々の新機軸が導入されました。2007年以降はこの編成の登場時の塗色である「リンゴ色」に塗られています。


内装

  左:中間車 右:先頭車
車内はセミクロスシートの座席配置で、つり革やスタンションポールなどもなく天井も高いのですっきりした印象です。緑色っぽいクリーム色の化粧版に社色い座席モケットの組み合わせで、車内の色遣いは国鉄の急行形車両に似ている気がします。
扉間のシートは回転式のクロスシートですが、集団見合い式(真ん中に向かってすべての座席が向いている配置)の座席配置に固定されています。


車端部はボックスシートとロングシートの組み合わせです。

 
貫通路は普通の車両よりも幅の広いもので、扉を閉めた状態でロックできるようになっています。


先頭も中間の車端部と同じ座席配置になっていて、残念なことに前が一番よく見える場所は後ろ向きのシートになっています。


座席はシンプルながらもデザイン性のあるものですが、私が座った座席は製造から時間が経ちすぎていたためクッションがくたびれきっていました。


網棚にもデザイン性があります。

 
ドアには2種類あり、金属むき出しのドアと化粧板が張られたドアが混ざっていました。

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